60代は毎月どのくらいの保険料を支払っているのでしょうか。
子どもは独立し、自身は定年退職を迎えて年金生活に突入するなど、60代はさまざまな変化と共に新たなセカンドライフが始まる頃です。
時間に余裕が生まれ、やりたかったことや趣味などを楽しむ時間も増えるでしょう。
しかし一方で、60代は他の世代に比べて体の衰えに伴うケガや病気のリスクが上昇します。
万が一に備えて保険の加入をしておきたいけど、そこで気になるのは月々の保険料でしょう。
高額になりすぎて、日々の生活に支障をきたすのではないかと不安に思うことも少なくありません。
そこで今回は、60代の保険料と保険の必要性についてお話します。
シニア世代に突入してから、保険の見直しはしましたか?
若い頃に加入したままの保障内容にしていませんか?
60代に必要な保障内容は、働き盛りのときとは違ってきます。
同じ世代の人が支払っている保険料の平均額は、若い世代と比べてどのくらいなのでしょうか。
年代別・性別でのデータをもとに解説しますので、参考にしてみてください。
60代の生命保険料の平均は?同年代の保険に関する実態を調査!
健康のリスクが高まる60代、さまざまなことに備えて保険を活用したいですよね。
そこで気になるのが、同年代や近いライフスタイルの人が支払っている保険料です。
60代が月々に支払っている生命保険料の平均など、保険に関する実態を調査してみました。
60代の生命保険加入率はおよそ80%
生命保険文化センターの調査によると、令和元年度「生活保障に関する調査」において、60代の生命保険加入率は男性で82.9%、女性で84.5%という結果でした。
全年齢の平均が男性81.1%、女性82.9%なので、平均より少し上回っている結果です。
60代に入ってからも、万が一に備えて保険に加入している人が多いことがよくわかります。
一方で、60代の生活は年金生活に切り替わります。
家計の負担にもなる生命保険は、公的医療保険が充実していることもあり、一般的に老後には不要ともいわれている保険です。
だからといって何も加入しないのは不安、万が一に備えて保険を活用したいという人も多いはず。
保険の保障内容も大切ですが、一番重要なのは毎月いくらなら支払えるか、それによってどのような保障が受けられるかになります。
60代の保険料の平均はいくら?
同じく、生命保険文化センターの調査によると、60代の保険料の平均は男性で月額17,500円、女性で月額14,500円と男性の方が多い結果となっています。
これは、家計を支えるのが主に男性という家庭が多いことと、女性の方が保険料が低額の商品が多いことが理由にあげられます。
若い世代は死亡保障を付けるなど、保障内容を手厚くしているケースがほとんどなので、月額の保険料が20,000円を越えるケースが多くみられます。
それに比べると、60代は保障内容を低めにしていることも多く、保険料も若い世代よりは低めになるようです。
60代こそ保険の見直しを!
多くの場合、20代から30代の加入した当時の保障内容のままだったり、保険自体が60代で満期を迎えたりします。
これは、もともと定年のタイミングとなる60歳や65歳に設定していることが多いためです。
60代は子どもの独立、定年退職などライフステージの大きな変化のあるときです。
このタイミングで保険の見直しをするのが大切です。
今までのものとは違った、これからの将来に向けた保障内容の保険を選んでいきましょう。
60代の健康面でのリスクとは?データをもとに解説
厚生労働省「平成26年度 患者調査」によると、60代以降の入院受療率はどんどん上がってくことがわかっています。
働き盛りの40代の頃と比べると、入院受療率の総数は約4倍近くにも増えます。
60代以降になるとその数は年々増加していき、80代では60代のおよそ3倍以上にもなるのです。
なかでも、ガン・心疾患・脳血管疾患など三大疾病の発症率が高く、男性の方が入院受療率は高くなる傾向です。
平均在院日数も、年齢を重ねるごとに長引いてしまうことがわかっています。
また、骨折やケガが原因で寝たきりなどの介護のリスクも上昇します。
定年後に生活が大きく変化することで、運動不足や生活習慣病になりやすくなること、健康診断や人間ドックの受診率が60代で一気に下がることが原因とされています。
リスクに備えた保険選びが重要
日本では公的保険制度で医療費のほとんどをカバーできますが、入院にかかる差額ベッド代や日用品、食事、治療にかかる通院時の交通費、減少した収入などの保障はなく、自己負担となります。
最先端医療や日本で認証されていない治療など、治療方法によっても公的保険ではカバーできないものもあるので、そのリスクに備えた保険選びも重要です。
特に、ガンなどの三大疾病は持病化・長期化しやすい病気のひとつ。
高額医療制度もあるので、貯金が十分にあれば医療保険の保障内容は最低限で大丈夫ですが、貯蓄だけでカバーできるか心配な方は、ガン保険の加入も検討しておきましょう。
また、持病や治療中のケガがある場合、医療保険に加入することが難しくなってしまいます。
病気になってからでは加入できたとしても、保険の一部が保障対象外になったり、同じ世代でも健康な人に比べると保険料が高額になるケースが一般的です。
このようなことを含めて、保険はなるべく健康なうちに検討・加入しておき、万が一のリスクに備えた保険選びをしておきましょう。
死亡保険を見直すのもおすすめ
死亡保険とは、世帯主など家計収入の主となる人に万が一のことがあっても、残された家族の生活保障を大きな目的とした保険です。
主に働き盛りの世代や、子どもが小さい家庭の世帯主が加入するケースがほとんどです。
そのため、死亡保険は一度加入してそのままにしておくのではなく、ライフスタイルに合わせて都度見直していくことが大切です。
60代以降は子ども独立し、夫婦二人暮らしまたは一人暮らしとなるため、万が一に備えて大きな金額を遺す必要はありません。
亡くなったあとのことを考えるとするならば、葬儀費用やお墓、家の片付けなどの費用分があれば十分とされています。
もし、死亡保険を若い頃のままの内容で払い続けると、本来の必要保障額よりも多く支払うことになってしまいます。
60代に入ったら保障内容を必要最低限にするか、終身保険にシフトするなど死亡保険の見直しを検討しましょう。
60代になったら保険について考えなおそう!
60代は人生の大きな節目を迎えるタイミングです。
それまで世話しなく過ごしていた日々が一変し、ゆとりのある落ち着いた毎日を過ごすことになるでしょう。
新しく始まるライフステージに備えて、保険について考えてみましょう。
大切なのは経済的に無理のない範囲でリスクに備えること。
日々の生活を圧迫するような備えをしてしまっては、豊かなシニアライフを送れません。
まずは自分の今加入している保険の内容をしっかり把握しましょう。
不要なもの、今後必要になるものを想像し、いろいろな保険商品を見比べて自分にあったものを探してみましょう。
もし、自分で決めかねるようであれば一度、専門のアドバイザーに相談するのもおすすめです。
ムダな保険料や保障内容にならないよう、60代になったら保険について考え直してみてくださいね。