「自分になにかあったらどうしよう…」
「家族に万が一があったら、どうしたら良いのだろうか」
これから生きていくうえで、避けて通れないのが介護です。
万が一に備えて、介護や医療方針についてはしっかり事前に整理しておきたいところです。
しかし、実際になにから始めたらよいか、わからないですよね。
ここでは、医療や介護についての知識や理解が深められ、医療方針や介護について将来困ることのないようにする方法を解説していきます。
この記事を参考にしながら、大切な医療や介護について考えていきましょう。
介護方針や医療方針をエンディングノートに書いてみる
エンディングノートという言葉を聞いたことはありますか?
自分の人生の最期を、自分が望むように過ごすために必要な事項を書き連ねたノートのことを意味します。
まだ漠然と抱いているだけの自分の感情を整理し、言葉にして明確に書き示し、それを保管してきます。
自分にもしものことがあったときに、大切な人がそのノートを見ることで、意志を汲み取ってもらえるようになるのです。
記載しておきたい次項は、以下の通りです。
介護について
- 自宅介護か、老人ホームか
- 介助者は家族が良いか、ヘルパーさんが良いか
- デイサービスやショートステイを使いたいか
- 子どもや親族と会える距離にいたいか
- 交通手段はなにを考えているか
医療について
- どの病院が良いか
- 通院での治療を望むか、入院したいか
- 症状次第で土地勘のない地域の病院でも良いか、嫌か
- 先進医療を望むか
- 延命治療を望むか
- 医療保険の加入状況と手続き先
以上の項目については記載しておくと、確認した家族が安心できます。
そもそも、自分がどんな介護や医療を望むかは、考えが中々まとまらないものです。
エンディングノートを書こうと思いついたタイミングでメモをしていき、自分の気持ちが見えてきた段階でまとめるイメージで取り組むと良いでしょう。
介護方針で決めておきたいこと
では、具体的に介護方針についてはなにを決めておくべきか、より詳しく解説していきます。
大切な人が迷わずに介護と向き合ってくれるよう、考えをまとめておきましょう。
ここではどんなことを具体的に決めておけばよいのかを解説していきます。
まだ見ぬ介護という世界、わからないことがわからない状態かもしれませんが、次項を参考に確認していっていただければ幸いです。
在宅介護を望むのか、施設に入居したいのか
介護について考えたとき、はじめに在宅が良いか、施設の入居を望むのかが重要です。
在宅介護には、設備が必要になりますし、介護に従事する人ももちろん必要になります。
設備についても、ベッドの購入費用や自宅に手すりを付ける費用など、介護できるようにするにはリフォームが必要になることも珍しくありません。
介護のための費用はあらかじめ用意しておくと、ご家族もその希望を叶えるために尽力してくれることでしょう。
施設での入居を望むのであれば、誰がその費用を負担するのかを含め、場所や入居を望む施設の種類も記載してあげるとなお良いですね。
施設に入居する場合、どんな施設に入りたいのか
介護施設にも様々な種類があります。
公的な施設だと
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- ケアハウス
民間施設となると
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- 高齢者向け住宅(介護サービス付き)
- グループホーム
があります。
それぞれに手続きをする場所が変わりますし、望む場所によって入居する要件も異なってきます。
介護認定されている人しか利用できない施設もあれば、逆に要介護だと入居できない条件の施設もあるため、複数候補を挙げておくと安心です。
医療方針で決めておきたいこと
人はいつか、終わりを迎えます。どんな最期を迎えたいのか、医療は直接関わってくる重要なことです。
だからこそ、誰かの意志で決めるのはとても勇気が要り、その人の人生にも影響を及ぼすため元気なうちに医療方針についても希望をしっかり固めておくことをオススメします。
ここでは、介護に続き医療について、どんなことを決めておけばよいのか具体的な項目を挙げていきます。
想像もつかない終末期の医療について、確認しておきましょう。
終末期の医療方針
医療には、症状が出始めた急性期と、治る見込みのない状態の終末期とがあります。
終末期の医療については、どんな治療を望むか確認しておきましょう。
最先端の治療を望むのであれば先進医療を自費で受けることも可能ですし、特別な治療を望まず自然な状態で最期を迎えることだって可能です。
終末期の医療方針については、本人の意思確認ができない状況で家族が決断を迫られるケースが珍しくありません。
その際、本人の意思として明確に残っているものがあれば、家族が迷わず決断できるようになるのです。
延命治療について
終末期の医療の代表格ともいえるのが、延命治療です。
挿管して呼吸させたり、栄養を注入してもらったりして延命する方法を選択すると、その治療を途中でやめることは原則できません。
命の最期が明確に決まってくる治療ですから、延命について望むのか、望まないのかも確認しておくべきといえます。
なにかあった際に、決断した家族や親族が深い悲しみと責任にかられることになってしまいます。
命の期限について、価値観は人それぞれ。
しかし、前もって話し合いを重ねていくことによって、自分自身も見送る家族も納得した状態で最期を過ごせるようになると心得ておきましょう。
臓器提供や検体についての希望
死亡したとしても、臓器については健康な状態である場合、臓器提供の選択肢があります。
死してなお、誰かのためになれるなら…と臓器提供の意思のある場合は、ドナー登録を済ませておきましょう。
また、臓器提供の意思表示としてドナーカードを持ち歩くほか、近親者にはその希望をしっかりと伝えておくようにしておくとよいですね。
検体提供についても同様です。
遺族としては、亡くなられたご遺体にメスが入ること自体を嫌がる人も多いです。
しかし、生前にあらかじめ希望を強く訴えておけば「本人が言っていたことだし、尊重してあげなきゃね」とご遺族も前向きに行動を起こしてくれることでしょう。
カードだけお財布に入っていても、その旨を本人の口から一切聞いていない場合など、家族はドナー提供に対しては否定的になるものだと覚えておきましょうね。
終活は介護や医療について考える良い機会
皆が必ず迎える最期であるにも関わらず、つい避けてしまいがちな介護や医療の問題。
しかし、遺された家族など大切な人たちにとって、終活はしておくべきことなのです。
自分はどんな最期を迎えたいのか、考えたくないことかもしれませんが、向き合っておきましょう。
考えれば考えるほど、より詳しく伝えたくなるものです。
ぜひ、自分の気持ちを向き合って、大切な人に自分の思いをいつでも託せるように準備しておいてくださいね。