禅宗とはどんなもの?簡単にわかりやすく解説!

宗教・宗派

日本には仏教が根付いています。中にはたくさんの宗教がありますが、その中でも大きな宗教として禅宗があります。

禅宗には大きく3種類の宗派があり、鎌倉時代に伝わり広まった臨済宗と曹洞宗、江戸時代に伝えられた黄檗宗とがあります。

それぞれに信仰の考え方や本山が異なるため、同じ禅宗とはいえども行動や思考には差があります。

禅宗は仏心宗と表現されることもあり、これは文字や経典といったものに頼らず、自力で仏心を悟る宗派とされています。

ここでは、そんな禅宗について詳しく解説していきます。理解を深めるため、確認していきましょう。

坐禅をする宗派=禅宗

禅宗は中国から、鎌倉時代初期に伝えられました。

鎌倉幕府の将軍源の源頼家が支援をし、京都に寺を建てて臨済宗をはじめとする「禅」の教えが広まっていったといわれています。

禅宗のなかでも特に武士社会で広く支持されたといわれているのが臨済宗で、墨画や建築にまで影響を与えた、大変大きな信仰だったことがわかります。

対照的に同時期に伝わり広まった曹洞宗は、道元を開祖としています。武士ではなく、あくまでも庶民の間で広まった信仰で、同じ禅宗のなかでも対象となった層が違うことがわかります。

黄檗宗は江戸時代に広まった教えで、開祖は隠元といわれています。

禅宗ひとつにもこのように数々の宗派があるのです。

では、そんな禅宗の考え方について、詳しくみていきましょう。

他力本願と自力本願

禅宗は、自力本願の考え方であり、日本の仏教の中で最も釈迦の考える仏教に近いと言われています。

誰かがなにかをしてくれるはず、といった他力本願の教えではなく、あくまでも自分が浄土に行くためには自分自身が悟りを開く必要があるという点が他の宗派との決定的な違いです。

禅宗のひとつである臨済宗が日本の武士社会で広く広まったというのも、政治に通じるものがあるため。

他力本願では未来を切り開けないという武士の心意気は、禅宗の教えとまさに一致しているのです。

悟りの境地とは?

悟りに至るまでに、一般的な宗教で必要とされる経典が禅宗には存在しません。

それは、経典や文字などに頼らずに、「自分自身で悟りを開く」「座禅によって仏の心に自分が気付き、わかるようになれる」という信仰があるためです。

以心伝心という言葉は禅宗から来たもので、仏の心を以のままに伝えるという漢字通りの意味をなします。

禅宗で悟りを開くには、出家は必須となります。出家しなければ人は変われない、出家して戒律を破るほうがましという意見まであるほどです。

すでに在家がある方にとっては、極めて困難なのが禅宗の悟りへの道。

以心伝心を受けている師となる僧に出会い、出家し、自力で悟りを開くために座禅を組み続けるので、過酷な暮らしをすることになります。

それでやっとたどり着くのが悟りの境地。「浄土へ行く方法は、実は自分自身が知っていたのだ」ということに気付きが得られるのです。

主な3つの禅宗

禅宗には大きく3種類の宗派があります。

鎌倉時代に伝わり広まった臨済宗と曹洞宗と、江戸時代に伝えられた黄檗宗とがあり、それぞれに違いがあるのです。

次項からは、それぞれの宗派がどんな教えなのか、開祖は誰で、本山はどこかについて、詳しく解説していきます。

臨済宗

臨済宗は中国で禅宗を代表する5つの宗派のうちのひとつ。

唐の時代の臨済義玄(りんざいぎげん)が開祖とされ、その後日本には、鎌倉時代初期に伝えられました。

鎌倉幕府の将軍源の源頼家が支援をし、京都に寺を建てて臨済宗をはじめとする「禅」の教えが広まっていったといわれています。

特に武士社会で広く支持されたといわれている宗教で、水墨画や建築にまで影響を与えた、大変大きな信仰だったことがわかります。

禅を重んじ座禅で自分と向き合うことが求められます。

ただひたすらに座禅をし、自分自身が何者であるのかを問いただし続けるのです。

すると、仏は自分の内にあるという境地へとたどり着くことができるといわれています。

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曹洞宗

曹洞宗も鎌倉時代に日本に伝わってきました。唐の時代の禅僧・洞山良价(とうざんりょうかい)によって開かれています。

臨済宗と同様に座禅が大事な部分とされています。

曹洞宗ではほかの宗派よりもより「黙って座禅をする」ことが重要とされており、「黙照禅」ともいわれています

ただひたすらに座禅に取り組むことによって、仏の姿になれる…つまり、座禅そのものが悟りの姿であるという教えで、日本へは道元によって伝えられました。

武士社会で広まった臨済宗とは違い、曹洞宗は一般階級の人たちに広く浸透したといわれています。

黄檗宗

黄檗宗は江戸時代に広まり、臨済宗から派生した一派ともいわれています。

寺院の外観に特徴があり他の寺院に比べカラフルな色彩を用いているのが個性的です

仏具などは中国由来のものが多く、中国式の考え方が三大禅宗のなかで一番色濃くでている宗派となっています。

黄檗宗の葬儀では、中国式が採用されることも多く、作法も中国のものを用います。

経典については般若心経が基本となっていますが、読み方が臨済宗や曹洞宗とは異なり、中国式の発声を行うことも特徴のひとつです。

座禅や修行の体験を行っているお寺も

禅宗の代表的な座禅は、体験としてお寺の人気イベントとなっています。

仏教が身近に感じられる体験型のイベントとして1日や半日の修行もあります。

座禅では、しっかりとお坊さんに喝を入れてもらうこともできて、話題になっていますよ。

修学旅行でも経験できるとあって、今や私たちの生活に溶け込む一つの文化であるといえるでしょう。

まとめ

雑念が湧いた際に、座禅を組むとイメージがある方も多いことでしょう。

そんな座禅を世に広く浸透させたのが、この禅宗だったのです。

座禅は現代でも、イベントなどで体験できる大変人気でかつ親しみのある宗派となっています。

葬儀に関しては、どんな装飾が施されるのか、経典の読み方など気になるようであればあらかじめ葬儀社に連絡、相談をしてみると良いでしょう。

日本でも親しみ、なじみの深い禅宗ですので、どの寺院もしっかりと対応してくれることでしょう。

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