「もう高齢者だし、火災保険はいらないんじゃない?」
長年住み続けた我が家に対し、自分はもう高齢だから火災保険が要らないのでは…と考える人は少なくありません。
確かに、失火責任法という法律によって、自分の家から家事になり、燃え広がったとしても責任を負わないケースも存在します。
しかし、すべての火災においてそれが当てはまるわけではありません。
そこで今回は、高齢であったとしても火災保険への加入は必須といえる理由についてお話していきます。
なぜ高齢になっても火災保険は必要なのか、そもそも火災保険はどんな保険なのか、居住している物件別に具体的に解説していきます。
火災保険をどうするか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
火災保険ってそもそもどんな保険?
火災保険とは、火事が起こった際に家そのものや家の中のもの(家財)に損害が発生した際に保険金がおりる保険です。
火災保険が補償してくれる対象としては家財と建物の2種類があります。
- 家財 … 家具、家電、衣服、貴金属など
- 建物 … 建物本体、門、塀、車庫、物置など
保険のタイプとしては
- 建物のみ
- 家財のみ
- 建物+家財
の3パターンがあり、それぞれに適用される範囲が違うので、自分のニーズに合う部分をカバーできる保証を選択しましょう。
地震保険との違いは?
火災保険では、地震をはじめとする噴火・津波を原因とする火災、損壊、埋没または流出による建物や家財の損害は適用除外とされています。
これはどの保険会社の火災保険でも同様です。
しかし、地震保険はその部分を適用して損害を補償してくれる保険です。
国が推奨している保険でもあり、地震保険部分に関してはどの保険会社でも保険料は一律となっているのも特徴です。
高齢者は火災保険を見直すべき?
火災保険では補いきれない部分について、地震保険でカバーできることがわかりましたね。
では、実際に高齢者は火災保険を見直すべきなのかどうかについて解説していきます。
自分の住まいの築年数がわかる書類やお住まいの地域のハザードマップがお手元にあれば、確認していくと良いでしょう。
築年数が古い家は『超過』状態になってる可能性も
そもそも火災保険は、住宅の価値に対しどのくらいの補償にするかによって保険料が変わってきます。
新価によって契約した場合は、その時の物価なども考慮した補償額が設定されます。このため保険料は高くなりますが、なにかあった際には賄いきれるだけの補償が手に入ります。
一方で、時価での契約となると、当時の査定価格のままの補償を持ちこしていくことになります。
物価が上昇し、当時だったら新築が建つような価格であっても、現在はそうはいかない場合が考えられますよね。
その場合は、当時の額で保険がおりるので、「この額では賄いきれない…」となってしまうわけです。
しかし、保険料は抑えられるので、どこまで備えたいかによって選択するのがオススメです。
高齢者は特に、築年数が経過した物件に住んでおり、かつ火災保険は昔かけたものをそのまま更新とされているケースが多いです。
その場合に考えられるのは、補償額が実際の建物額よりも大きくなってしまうこと。
この状態の保険を超過保険といいます。新価以上の補償については完全に無駄になってしまう(余分に保険金が支払われることはない)ので、すぐに見直すべき状態といえます。
高齢者が保険を見直すべきだといわれるのは、この部分が理由となっており、補償が超過しているのであれば、新価と同等の補償(全部保険)に見直しましょう。
最新のハザードマップを確認
近年、自然災害の猛威を肌で感じる機会が多いですよね。
自宅のハザードマップを確認したことはありますか?
大雨洪水の際の浸水想定地域に入っているなど、自宅周辺の土地の高さが低い場合は、リスクに備える補償を選択する必要があります。
また、火山が近くにある場合は活火山なのか、地震の周期的に気を付けるべきタイミングなのか…も併せてチェックしておくと良いでしょう。
リフォームを行なった場合は要注意!
火災保険に加入後にリフォームを行っている場合は、特に注意が必要です。
火災保険金額の見直しが発生し、補償額の増額をしなければならないからです。
増築した旨を早急に保険会社へ連絡しましょう。
保険料は、建物の部屋数など構造によって変わるので、リフォームした場合は連絡が必須となります。
もしも連絡せずに万が一のことがあった場合、通知義務違反として保険の契約が解除されてしまうので注意が必要です。
事故が起こっても最悪のケースだと保険金が支払われないこともあるため、間違いなく連絡をするようにしてくださいね。
戸建に住む高齢者、火災保険は必要?
「ローンも払い終わっているし、保険はもう大丈夫かな」
戸建に住んでいる方で、もうローンの支払いもない場合、火災保険に加入しなくても良いかな…という考えになる方もいらっしゃいます。
しかし、リスクを考えた場合、やはり保険未加入は安心感がありません。
ただ、補償範囲額を下げたり、家財はつけないといったように、プラン選択の時点で最低限のものだけにし保険料を抑えるのは得策といえるでしょう。
自分が暮らす家にはどんな補償が必要なのか、余分な補償は選択せず、必要な補償のみをしっかり選択してつけるという見直しで、保険料をなるべく抑える暮らしを実現させましょう。
高齢者がマンションやアパートにに住む場合の火災保険は?
マンションやアパート住まいだと、共益費や管理費で出費が多いことから、少しでも安く住居費用を抑えたいところですよね。
しかし、マンションやアパートのような集合住宅での大きなリスクが「水漏れ」です。
上層階でトイレやお風呂の故障によって水漏れが発生した場合、下の階の壁紙などにも漏れ出てしまって大損害ということがあります。
また、水は配管の詰まりなどでもトラブルが起こるので、集合住宅にお住いの方はやはり火災保険に加入しておくべきでしょう。
管理会社が設定してある保険に加入している方は、補償内容が適切であるかどうかを一度確認しておくことをオススメします。
高齢者もリスクに備えて火災保険を考えよう
いかがでしたか?火災保険に加入するのは、戸建でもマンションなどの集合住宅でも必須といえるのではないでしょうか。
しかし、補償の見直しをすることで、保険料はしっかりと抑えることができます。
今本当に必要な補償になっているのかを確認すると同時に、保険会社への連絡の必要性があるかどうかについても今一度確認してみてください。
きっと、余計な補償部分が見つかったり、足りていない補償に気付けるはずです。
今回の記事で、適切な補償を納得できる保険料に抑えられるよう、火災保険を見直す際の参考にしてくださいね。