神社は宗教法人ですが、一言で宗教法人といえど様々な種類があります。
まず、単立宗教法人と包括宗教法人とがあります。
そのなかの単立宗教法人のなかに、非包括宗教法人と、単立宗教法人とが存在しているのです。
近年、そんな単立宗教法人による単立神社が増えているといわれています。
なぜ、従来のような形態ではなく、単立神社が増えてきているのでしょうか。
ここでは、単立神社とはどんな神社であるのか、そして神社本庁との関係はどうなっているのかについて詳しく解説していきます。
神社の形態に関する知識と理解を深めていきましょう。
単立神社ってどういう意味?
従来、神社は上位の団体に属するのが一般的とされていました。
しかし禁煙、上位団体のどこにも属さない神社が増えてきているのです。
単立神社とは、包括宗教団体には属さない神社であるという意味を持っています。
単立神社と神社本庁の関係
単立神社は神社本庁への考え方が違います。
単立神社は大本となる総本山や神社本庁に対し多額の寄付金を用意したり、お布施を準備したり…という運営を良しとせず、運営や後継問題を独自に行っているのです。
なんと、過去に石川県にある神社では最高裁まで争っており、結果神社本庁からの脱退が認められています。
それほどに、神社の運営や後継問題については個々の寺によって考えが大きく異なり、単立神社だから良い・悪いといったことでは一切ないと心得ておきましょう。
有名な単立神社一覧
徳川家康を祀っている栃木県にある日光東照宮や、京都府にある伏見稲荷大社も単立神社です。
伏見稲荷大社は千本鳥居で有名な神社ですね。
さらに、島根県で有名な縁結びの神社である出雲大社も単立神社となっています。
多くの人に知られる有名な神社であっても、単立神社であって上位の団体に所属していないところもあると覚えておきましょう。
単立神社が増える背景
年々増えている単立神社ですが、なぜ増えていくのでしょうか。
長年スタンダードとされた形式ではなく、どこにも属さない神社が増えてきているのには納得の背景があります。
ここでは、単立神社が増えている背景について詳しく解説していきます。
宗派が違う
そもそも、宗派が違うために属していないという単立神社があります。この場合の神社の有名なところは、島根県にある出雲大社です。
神社本庁である伊勢神宮には、天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られています。
しかし、出雲大社が祀っている神は大国主命(おおくにぬしのみこと)であり、全く別の神様を祀っているのです。
祀っている神様が異なることから、属する意味も意義もなく、単立神社という形を選択している神社があるのです。
一番納得できる背景といえますね。
設立時から属していない場合も
神社の設立時から、単立である神社も少なくありません。
靖国神社は国が所有する神社として、戦争で亡くなられた方々を祀るために作られました。
しかし、戦後は政治と宗教は分離しなければならないという政策「政教分離」によって、国が神社を所有することがかなわなくなってしまいました。
それによって靖国神社は宗教法人となったものの、どこかに属するというのではなく、いつかまた国の所有として戻るという意向を暗に抱えています。
だからこそ、神社本庁と対立関係にあるわけではなくても、所属しないという選択をする神社もあるのです。
単立だから怪しい…というわけではない
確かに、単立神社のほうが運営するコストは安く済みます。
神社本庁に所属している神社はすべて、上納金を納める必要があるからです。
神社の規模が大きければ大きいほど、上納金の額も大きくなるため負担も大きくなることでしょう。
よって、上納金を納める先の無い、その分の金銭も自由に運用できる単立神社のほうが儲かるのは事実です。
ただ、儲かるために単立神社という形を選択している神社ばかりではないので、単立神社は怪しいなどとは思わなくて大丈夫です。
様々な理念や思想が複雑に絡み合った結果、どのような形式で成り立っている神社であったとしてもそれぞれに信頼がおけるものであると考えてくださいね。
まとめ
単立神社についての理解が深められたでしょうか。
神社には様々な形態があり、上下関係もあることがわかりましたね。
そして、それぞれの神社が様々な理由によって、上位の団体に属したり、属さずに単立神社として運営していたり…と選んでいるのです。
年々増えている単立神社ですが、神社本庁からの厳しい制約や罰則がなく、自由な運営がなされているところが多いです。
ぜひ、どのような神社であっても信仰には変わりなく、信頼のおける場所なのだという気持ちを持ってくださいね。