ガーデニングに興味があるけれど、まったく知識がないことに不安を感じたり、庭がないと困ったりしていませんか。ガーデニングは、健康や心理的な効果があり、シニア世代におすすめの趣味と言えます。疑問点を解消し、ぜひ始めてみましょう。
この記事では、シニア世代の健康に役立つガーデニングの効果や始め方をくわしく解説します。
ガーデニングで心身ともにリラックス
ガーデニングはシニア世代に人気の趣味ですが、どのような効果があるのでしょうか。家庭菜園を行うと、楽しいだけではなく心理的にリラックスできます。それだけでなく、運動不足の解消にもなるのです。
ガーデニングの効果を知ると、初めての方でもチャレンジしたくなるかもしれません。以下でくわしく解説します。
心理的な効果
ガーデニングによって、植物を育てることで心理的な効果が期待できます。感受性が豊かになり、認知症予防にも役立ちます。
植物を育てると土や苗に触れ、緑の香りを感じます。美しい花や緑を見て、自分で作った野菜を味わうなど、五感のすべてが刺激されるため、感受性を豊かにする効果があるのです。
ガーデニングを楽しむには多くの知識が必要です。肥料の配合、土の耕し方、季節や天候に合わせた管理の仕方など、ガーデニングをすればするほど分からないことが出てきます。その都度、試行錯誤したり調べたりするため、頭を使うことで認知症予防に効果的と言われます。
また、ガーデニングはお世話が必要です。気候を見て水やり、草むしり、寒い時期の保護、間引き、せん定など、いろいろと手をかけるところがあります。植物の成長を見守り、大事にすることで、人間が持つ「育てる」本能を満足させてくれます。
手をかけた分、植物はしっかり応えてくれるため、満足感、達成感も得られやすいでしょう。手入れのために日光を浴びると、セロトニンというホルモンも分泌されます。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させる働きがあります。
仕事や子育てが終わり、目的を見失いがちなシニア世代にとって、ガーデニングをすることで何かに没頭する時間が持てることも、リラックスにつながるでしょう。
精神的な安定が得られ、感受性を豊かにしてくれるガーデニングは、幸せを感じやすくなるためおすすめです。
運動不足の解消にも
ガーデニングは心理的な効果だけでなく、運動不足解消にも役立ちます。土や植物、コンテナやプランターなど、ガーデニングに必要なものは重量があり、自然と足腰が鍛えられます。水をまいたり、雑草を取ったり、毎日手入れが必要なため、体を動かさない日はなくなるでしょう。
立ったり座ったりする動作も多くなるため、普段体を動かさない人にとっては、良い運動になるでしょう。最初はハードに感じても、続けるうちに体も慣れてきます。ガーデニングによって、自然に運動を継続できるのもメリットです。
また、野外で作業をするために、天気予報を見て計画を立てる必要があるため、意識的に体調を整えるようになるでしょう。何も予定がないとダラダラしがちですが、「この日は畑仕事をする」という目標があるため、メリハリのついた生活を送れます。ガーデニングを続けると、結果的に健康管理に役立ちます。
高齢の女性は骨粗しょう症のリスクが高くなりますが、日光にあたることでビタミンDが作られるため、骨が丈夫になる点も嬉しいですね。
シニアに人気の家庭菜園
多くの効果があるガーデニングですが、初めての方は何から始めてよいか、迷ってしまいまうでしょう。シニア世代におすすめなのは、家庭菜園です。
花を育てるのもよいですが、家庭菜園には収穫という楽しみが待っているため、さらにモチベーションを維持できます。自分で育てた野菜を食べる喜びも感じられ、一石二鳥です。
以下で、家庭菜園を簡単に始める方法を解説します。
簡単に始められる
家庭菜園を始めたいけれど、庭がないからと断念する必要はありません。庭がなくても家庭菜園は始められます。日当たり、風通しが良い場所を選んでプランター栽培から始めましょう。準備するアイテムを紹介します。
- プランター:好みのサイズを選択します。
- 土:培養土など、必要な栄養がバランスよく配合されているものを選びましょう。
- シャベル:土を調整するために使用します。使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
- じょうろ:水やりに使います。ペットボトルの先端につけてじょうろにするキャップもあるため、好みで選びしょう。
- 苗:好みで選択します。育てるのが難しいものもあるため、迷った場合は店頭で確認しましょう。
- 支柱:ミニトマトやキュウリなど、背が高くなる苗を購入した場合に必要です。苗を選ぶとき、支柱は必要か聞いておくとよいでしょう。
必要なものは園芸店、ホームセンターでそろいます。店員さんに聞きながら、初心者でも育てやすい苗を選んでもらうのも良いでしょう。アイテムを購入後、次のように進めます。
- プランターに土を入れる
- 苗を植える
- 水やりをする
- 追肥
- 土の手入れ
- 収穫
土を軽く押し込みながらプランターの中に入れます。水やりであふれないよう、プランターの縁から3cm程度の低い位置まで敷き詰めましょう。
次に、土を入れたプランターに苗を植えます。日差しの強い日や風が弱い日を選ぶと、苗が痛みにくく生育が良くなります。北海道など気温が低い地域に住んでいる方は、苗を植える時期が本州と違ったり、保護が必要な場合もあったりするため、店頭で確認することをおすすめします。
苗の種類に合わせて水やりをするのが理想ですが、慣れないうちは、雨でない限り毎日水をやる習慣をつけると良いでしょう。水の量が多すぎると枯れやすくなるため、注意しましょう。
苗が成長すると土の養分が足りなくなるため、肥料を追加します。しおれてきたときに追肥をしてあげましょう。追肥に使用するのは、液体肥料や化成肥料が使いやすく、効果も分かりやすいです。
土の上で葉っぱや野菜を放置すると、病害虫の餌になり、苗が病気になりやすいです。きれいに除去して、いつもプランターの土がきれいに保てるようにしましょう。
野菜が実り、十分な大きさに育ったら収穫です。収穫は順次行うため、次の収穫までに茎や葉が痛まないよう、手ではなくハサミで優しく取りましょう。
実際に手入れを始めると、手入れの方法や病害虫の発生、苗に元気がないなど、迷うことが出てきます。ホームセンターで聞いたり、知人に教えてもらったり、本で調べたりしながら家庭菜園を進めるうち、どんどん詳しくなっていくので心配しなくても大丈夫です。
まずは室内で楽しむのもGOOD
屋外にプランターを置くスペースがない場合は、室内で家庭菜園ができます。屋外に比べて温度変化が少ないため、強風の日でも安心できるメリットがあります。室内で楽しむ場合は、屋外よりも小さめのアイテムを選ぶと良いでしょう。
室内の場合、プランターは受け皿がついているものを選ぶと水やりの際、こぼれたり、根腐れしたりする心配がありません。動かしやすいよう、陶器ではなくプラスチック製を選ぶと良いでしょう。
栄養分が配合された培養土を選びます。安価な土は自分で配合することを前提にしているため、店頭で使いやすい土を相談すると良いでしょう。室内の場合は、狭いスペースでも収穫できるよう、接木(つぎき)苗を選びましょう。自根(じこん)苗に比べると高くつきますが、病気に強く、生育が早いため、初心者にうってつけです。
室内で家庭菜園をする際は、できるだけ日当たりが良い場所にプランターを置きましょう。室内でも育てやすいよう、土や種、苗がセットになったキットも販売されています。続けられるか不安な場合は、キットから始めると手入れもしやすくおすすめです。
ガーデニングは健康維持や趣味に最適!
ガーデニングを始めると、毎日植物のお世話をするため、成長に生きがいを感じられます。運動習慣のない方であれば、ガーデニングによって毎日体を動かすことになり、運動不足の解消に効果的です。緑に触れることで、気持ちが安定したり、ストレス解消になる効果も期待できます。
家庭菜園の知識は、その土地ならではの情報や経験が重要な面もあります。シニア世代には、ガーデニングや家庭菜園が得意な方も多いため、周囲との会話が増えて、コミュニケーションにも役立つでしょう。
家庭菜園をすると、夏から秋にかけて収穫の喜びを体験できます。自分で育てた野菜はスーパーで買ったものより、形が悪くても美味しく感じるものです。収穫した野菜を食べる感動は、家庭菜園ならではのものなので、ぜひチャレンジしてみてください。