シニアでも膝の痛みを気にせずに元気に歩きたい!予防法や原因を解説!

健康

高齢者の悩みで多いのが「膝痛」です。膝痛が進行すると歩くことが辛くなり、日常生活に支障をきたすようになります。また、膝痛によって活動量が低下するため、筋肉が衰え要介護状態につながってしまう危険性もあります。

膝痛で悩んでいる高齢者の大部分は、変形性膝関節症が原因です。膝の痛みを予防する方法は、歩く姿勢や合っている靴を履くこと、体重管理などできるだけ膝関節に負担をかけないようにする注意する必要があります。

このコラムでは、シニアの膝痛の原因や予防法をご紹介します。現在、膝痛でお困りになっていない方も、将来膝痛にならないように今後の参考にしてみてください。

歳をとると膝が痛くなる原因

膝が痛くなる病気は、変形性膝関節症関節リウマチ痛風などがあります。その中で高齢者に膝痛で最も多いのが変形性膝関節症です。

軟骨がすり減っている

関節の構成する骨の表面は、弾性があり滑らかな軟骨で覆われているため、関節のスムーズな動きが可能なのです。また、軟骨は衝撃を吸収するクッションのような役割も果たしています。

しかし、軟骨は加齢や外部からの衝撃などによりすり減ってしまうのです。膝軟骨のすり減りは、歳を重ねれば誰にでも見られますが、すり減る速度には個人差があります。次のような方は、軟骨のすり減る速度が速いので注意してください。

  • 膝の靭帯や半月板を痛めたことがある方
  • 女性
  • 肥満の方

膝にかかる衝撃を和らげる役割がある靭帯や半月板を痛めたことがある方は、痛めたことがない方に比べると軟骨のすり減る速度は速くなります。また、軟骨のすり減りが原因で起こる変形性膝関節症は、男性に比べると女性が多いです。これは、閉経後の女性は、骨や軟骨を丈夫にする女性ホルモンの分泌量が減少する、ということに関係していると考えられています。肥満の方は、膝に大きな負荷がかかるため、軟骨のすり減りが速いです。

軟骨には神経が通っていないため、軟骨がすり減ること自体で痛みを感じることはありません。しかし、軟骨がすり減ることで炎症につながるため痛みを感じるようになります。

炎症が起きている

痛風は、血液に溶けきれなくなった尿酸が結晶化して、関節などに蓄積することで炎症を引き起こす病気です。急激な痛みや腫れを伴う発作を引き起こします。

関節リウマチは、全身の関節に痛みや腫れを引き起こす炎症性関節疾患です。長期間に渡り炎症が起こるため、関節の変形や癒合などの機能障害が現れることがあります。発症の原因はまだ明らかになっていませんが、免疫機能が自分の関節に対して働いて炎症を引き起こしてしまう自己免疫疾患です。

膝軟骨がすり減って生じた軟骨のかけらが、関節の内側を覆う滑膜を刺激して炎症が起こります。炎症が起きると滑膜からは大量の関節液が分泌されるようになり、その中に含まれているサイトカインがさらに炎症を悪化させ、痛みが強くなってしまうのです。

変形性膝関節症になっている

変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることから始まります。軟骨がすり減ってしまうと、膝関節の骨と骨の隙間が狭くなっていき、進行すると骨同士が当たるようになり激しい痛みを引き起こしてしまう病気です。また、骨からとげのようなものがでたり(骨棘)、骨が変形してしまうこともあります

最初は、関節のこわばりを感じ動かしにくくなる程度です。この段階では、痛みはそれほど感じないもしくは痛みを感じても自然と治まるため、それほど気にせず病院に行かない方が多いようです。しかし、症状が進行すると、痛みが消えにくくなり歩くことが困難になります。関節の炎症が進み、膝が腫れ水が溜まるようになってしまうのです。さらに進行し軟骨がほとんどなくなり骨同士が当たるようになると、膝関節に変形が見られるケースが多いため、膝を伸ばせなくなることがあります。膝関節に力がかかるすべての動作が困難になり、日常生活に支障をきたすようになってしまいます。

膝の痛みを予防する3つの方法

膝の痛みを予防するためには、次の3つの方法がおすすめです。

  • 足に合った靴で正しい姿勢で歩く
  • ストレッチする
  • 適度な運動をする

これらの方法は、痛みの予防法でもあり痛みを和らげる方法でもあります。しかし、これらの方法を試しても症状が改善しない方や、痛みがひどく日常生活に支障をきたしている方は、医療機関に行き適切な処置を受けましょう。外科手術を勧められる方もいるかもしれませんが、あなたに合った保存治療を指導され症状が緩和することもあります。

足に合った靴で正しい姿勢で歩く

適切な靴を選べば、歩くときに地面から膝に受ける衝撃を軽減することができ、変形性膝関節症予防や進行抑制が期待できます。おすすめは靴底とかかとが薄く軽い靴です。サンダルはこの条件に当てはまりますが、安定感に欠け膝への負担が増してしまうため、紐やベルトでしっかり固定されている靴を選んでください。

また、ヒールカウンターとシャンクの硬さも重要です。ヒールカウンターとは、かかとの部分に入っているパーツで、ヒールカウンターが硬いと足が地面に着いたときの横ブレを防ぐことができます。シャンクは、靴底と中敷の間の土踏まずが乗る部分に入っている金属部品のことです。シャンクが硬いと歩行がスムーズに行えるようになります。一方、シャンクが柔らかいもしくは入っていない靴は、歩行の際に足の動きを邪魔するだけでなく、かかとが内側もしくは外側にズレやすく膝への負担が大きくなってしまうのです。

正しい姿勢で歩くと、膝への衝撃を軽減させることができます。上半身は、背筋を伸ばし腕は自然に振ります。頭はできるだけ揺らさないように一定の高さを保ちます。歩幅は足が地面に着くときに膝が軽く曲がる程度が適切です。かかとから着地し、親指の先で地面を蹴り出してください

ストレッチをする

立っているだけで膝が痛い方にもできるように、膝の痛みを軽減させる効果が期待できる座ってできるストレッチをご紹介します。ストレッチは、継続して行うことが大切です。回数は出来る範囲でよいので、毎日するようにしてください。

ひとつめは、膝関節の伸展に関与する内側広筋を強化して、柔軟性を改善するストレッチです。背筋と膝を伸ばして床に座ってください。太ももの内側の筋肉が盛り上がるように力を入れ、5秒間維持します。

ふたつめは、膝の屈曲に関与する膝屈曲筋(ハムストリングス)の強化につながるストレッチです。仰向けに寝て膝を立てます。その姿勢のままお尻をあげてください。

ご紹介したもの以外にも膝痛を軽減するストレッチは数多くあります。これを機会に勉強し、自分に向いているストレッチを探してみてください。

運動もGOOD、ただし無理せずに!

適度に運動をすることで、コラーゲンの産生が促されたり、軟骨に栄養が行き届きやすくなることがわかっています。継続して行えるウォーキングや水中ウォーキングなどの全身運動をする習慣をつけましょう。また、適度な運動は、肥満予防にもつながります。

適度な運動をするときに注意して欲しいことは、膝痛を伴う運動はしないようにすることです。痛みを伴いながら無理に運動をすると、逆に悪化してしまう可能性があります。

また、運動をするときは、靴選びややり方にも注意してください。不適切な靴を履いて運動したり、ウォーキングのやり方が間違っていたりすると、膝への負担が増して悪化してしまうことも考えられます。靴選びや正しい歩き方は、上記でご紹介したので参考にしてみてください。

膝を守って、元気に歩こう!

シニアの膝痛の原因や予防法などをご紹介しました。高齢者に現れる膝痛は、軟骨がすり減り炎症を起こしてしまうことで起こります。膝の痛みを予防するためには、適切な靴を履き正しい姿勢で歩くことやストレッチなどが有効です。膝関節に負担をかけないように注意しながら行いましょう。

膝痛と疾患の進行度は比例していないケースもあります。そのため、自分で判断するのではなく、1度は医療機関で診てもらうことが大切です。医療機関で適切な処置を受けて、日常生活でできるケアをすることで、少しでも膝痛の悩みから解放され快適な生活を送れるようになることを願っています。

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