仏壇の飾り方は、ご本尊(ほんぞん)を中心に、宗派に合う仏具を無理なく配置することから考えます。
段の数や仏具の置き場所は、仏壇の形と宗派によって異なります。
この記事では、購入前の確認、三具足と五具足の違い、小型仏壇での整え方を説明します。
仏具を買う前に確認すること
まず、家の宗派と、日頃お世話になっている菩提寺(ぼだいじ)を確認しましょう。
同じ「仏具セット」という商品名でも、含まれる道具や用途は同じとは限りません。
- ご本尊は仏像・掛軸のどの形式でお迎えするか。
- 左右におまつりする掛軸や像が必要か。
- 位牌(いはい)を用いる宗派か。
- 毎日のお供えに使う器は何か。
- 仏壇の内寸に、必要な道具が収まるか。
受け継いだ仏壇を整える場合は、現在の配置を写真に残してから相談します。
用途がわからない仏具や古い掛軸を、自己判断で処分しないようにしましょう。
三具足と五具足の違い
三具足は香炉・花立・燭台が各一つ
三具足(みつぐそく)は、香炉(こうろ)、花立(はなたて)、燭台(しょくだい)を各一つ組み合わせたものです。
それぞれ、お香、花、灯明(とうみょう)を供えるために使います。
よく見られる配置は、仏壇に向かって左に花立、中央に香炉、右に燭台です。
左右はお参りする人から見た向きで確かめ、宗派の案内や菩提寺の説明に合わせてください。
五具足は花立と燭台が一対ずつ
五具足(ごぐそく)は、香炉一つ、花立二つ、燭台二つの組み合わせです。
三具足に、ご飯の器とお茶の器を加えたものを指すわけではありません。
販売店の「五点セット」などの呼び方とは区別して、内容を確認しましょう。
日常と法要で使い分ける場合もありますが、大きい仏具や多い点数が、すべての家庭に適するとは限りません。
小さな仏壇では、置ける寸法とお参りのしやすさを伝えて相談します。
仏具セットの点数と用途を確認する
「六点セット」などの販売名は、宗派共通の必需品が六つあるという意味とは限りません。
花立・香炉・燭台のほかに何が含まれるか、品名と数量で確認します。
ご飯の器、お茶や水の器、菓子や果物を供える高坏(たかつき)などは、役割を分けて選びます。
名称が似ていても用途の違う仏具があるため、古い道具を取り替える場合は写真を持参して相談してください。
市販セットに入っているからすべて使う、入っていないから不要、と判断しないことが大切です。
ご本尊から順に配置を決める
中心となるご本尊を見えやすくする
最初にご本尊の位置を決めます。
花や供物で隠れないか、お参りする姿勢から確かめましょう。
掛軸を取り付ける方法は仏壇の仕様に合わせ、裏板へ無理に釘や鋲を打つ前に販売店へ確認してください。
位牌や過去帳は宗派と仏壇の形に合わせる
位牌を置く場合も「必ず二段目」「一つなら必ず右」と、全宗派共通に決めることはできません。
浄土真宗のように位牌を用いない教えもあります。
過去帳(かこちょう)を含め、必要なものと配置を確認します。
位牌が増えて収まらない場合は、台を不安定に積み重ねる前に菩提寺へ相談しましょう。
写真や思い出の品も、宗派の考え方を確認して飾る場所を決めます。
お供えの器と日常の道具を整える
ご飯を供える仏飯器(ぶっぱんき)、お茶や水を供える茶湯器(ちゃとうき)などは、宗派に応じて用います。
必要な器の種類や左右の位置を、全国一律の決まりとして扱わないことが大切です。
おりんや経本は、手が届き、仏具に袖が引っ掛からない場所に置きます。
おりんを鳴らす場面や線香の供え方も宗派によって異なるため、道具の配置とあわせて教わりましょう。
小型仏壇は詰め込みを避ける
仏壇の外寸だけでなく、内部の幅・高さ・奥行き、扉を開いたときの空間を測ります。
ご本尊と仏具を置いた状態で、扉が閉まるか、引き出しや膳引きを安全に使えるかも確認してください。
- 花が天井や掛軸に触れていないか。
- 供物を出し入れするときに、ほかの仏具を倒さないか。
- 香炉や燭台が安定し、台の端からはみ出していないか。
- お参りする人が立つ場合も座る場合も、無理なく手が届くか。
上置き仏壇だから立ってお参りする、台付き仏壇だから正座する、と決まるものではありません。
椅子を使うなど、体の状態と住まいに合う方法を選びましょう。
火を使う場所は飾りより安全を優先する
線香やろうそくは、花、紙、布、カーテンから離して使います。
火の上へ手や袖を伸ばさずに済むよう、器の出し入れの順序も確かめておきましょう。
点火したままその場を離れず、お参りが済んだら消火を確認します。
実際の火を扱うことに不安がある場合は、電子ろうそくなどの使用について菩提寺へ相談できます。
見た目の配置だけでなく、毎日安全に続けられることを大切にしてください。
宗派ごとの違いも確認する
ご本尊や掛軸、位牌などの違いは、宗派ごとの仏壇の飾り方の解説で紹介しています。
設置する向きや高さは、仏壇の置き方、向きや高さの決まりの解説をご覧ください。
お供え・扉・引き継ぎで迷ったときに
- 二つの仏壇を引き継いだら?まとめる方法と宗派が違う場合の注意点
- 仏壇に供えてはいけない花や物は?宗派の作法と選び方
- 仏壇の扉はいつ開け閉めする?日常と葬儀後の考え方
- 仏壇と神棚は同じ部屋に置ける?配置・向き・高さの考え方
参考資料
情報確認日:2026年10月17日。



