お彼岸って一体何?どんな供養をすれば良いのか
お彼岸と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは「お墓参り」だ。
近年、宗教や墓から離れる人が増えているというが、子どもの頃からお彼岸は特別な日だと感じている者は多いだろう。
日本では冠婚葬祭を宗教に則って執り行う。
しかし、普段は信仰心がない、信仰する宗教はない、という人が大多数を占める。
お彼岸のお参りも、宗教行事というよりは、代々続くその家のしきたりという意味合いのほうが強いのかもしれない。
だが、お彼岸が日本独自の仏教行事であることに変わりはない。
お彼岸の由来から過ごし方、故人や先祖を供養する方法について解説する。
お彼岸とは
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉は、多くの者が知っているだろう。
最近の異常気象で、この言葉が通用しなくなってきたが、元々これは、厳しい残暑や寒さが、お彼岸の頃には和らぐという意味だ。
四季の気候変化が大きい日本では、お彼岸を過ぎると過ごしやすくなる。
そのため、春は種まき、秋は収穫に適している。
このことから、お彼岸は仏教行事であるとともに、自然に感謝し、豊作を祈る期間ともされている。
お彼岸の期間
お彼岸は年に2回、春と秋にある。
春分の日と秋分の日を中日(彼岸の真ん中の日)とし、その前後3日間を加えた7日間を指す。
初日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸の明け」と呼ぶ。
2025年の秋のお彼岸は、秋分の日である9月23日を中日とする。期間は9月20日(土)から9月26日(金)までの7日間だ。
お彼岸の意味
仏教において、ご先祖様がいる極楽浄土の世界を「彼岸(ひがん)」と呼ぶ。
一方、私たちが生きているこの世界を「此岸(しがん)」という。
彼岸は西の方角にあるとされている。
春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈む日である。
西方にあるとされる彼岸と此岸、つまりあの世とこの世が最も近くなる日だと考えられており、ご先祖様を供養する日となった。
国民の祝日に関する法律(昭和23年)には、春分の日には「自然をたたえ、生物をいつくしむ」、秋分の日には「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」と記されている。
お彼岸の過ごし方
お彼岸の期間中、多くの人が行うのがお墓参りだ。
寺院では彼岸法要が営まれることもある。
お墓参り
お彼岸の期間は前述の通り7日間だ。
この期間中、どの日に参っても構わない。
特に良い日や避けるべき日などはない。
お彼岸やお盆は全国共通の行事であるため、墓地や周辺道路は大変混雑する。
いわゆる「お墓参り渋滞」が発生するのは常だ。
公共交通機関の利用を検討したり、可能であれば祝日や週末を避けて出かけると、混雑を避けられるだろう。
お墓参りは午前中に行くのが良いとされている。
これは、一日の行事のなかでお墓参りを最初に行い、先祖を大切に思う気持ちを表すためだ。
だが、必ず午前中に行かなければならないという決まりはない。
墓地には開園・閉園時間があるところが多いため、事前に確認しておくと安心だ。閉園間際に行くのは避けよう。
お墓参りのマナーと持ち物
お墓参りは通夜や葬儀と違い、家族単位で行われるのが普通だ。そのため、マナーに神経質になる必要はない。
ただ、墓地は公共の場だ。他の参拝者に配慮し、大声で話したり長居をしたりするのは控えよう。
お墓参りの基本的な持ち物は、線香、ろうそく、ライター、花、供え物(ぼたもち、おはぎ、故人の好物など)だ。
花は、トゲのある花、ツルがある花、毒のある花、香りが強い花は避けるのが一般的だ。
故人が好きだった花や、故人のイメージに合う花を選ぼう。
お供え物としてぼたもちやおはぎ、故人の好物を持っていくことは問題ない。
だが、帰る際には必ず持ち帰るのがマナーだ。鳥や動物に荒らされるのを防ぐため、食べ物をお墓に置いたままにしないのが常識となっている。
ちなみに、ぼたもちとおはぎは同じものだ。春のお彼岸に供えるのが「ぼたもち」で、秋のお彼岸のものが「おはぎ」だ。どちらも季節の花にちなんで名付けられ、春は牡丹の花から「ぼたもち」、秋は萩の花から「おはぎ」と呼ばれるようになった。
ただし、秋は小豆がとれたてで皮が柔らかいので粒餡、春は保存していた小豆の皮が硬くなっているのでこし餡にすると言われている。
初彼岸
故人が亡くなってから四十九日を過ぎて初めて迎えるお彼岸を「初彼岸」という。
初盆のように特別な供養は行わないのが一般的だ。
仏壇やお墓をきれいに掃除してお線香をあげ、寺院での彼岸法要があれば参加するのも良いだろう。
まとめ
お彼岸は、ご先祖様や故人を供養するとともに、自然の恵みに感謝する日本固有の行事だ。
お墓参りや彼岸法要に出向く際には、必要な持ち物を忘れずに用意すること。
また、寺院やその周辺は非常に混雑する期間でもあるため、周囲に配慮し、マナーを守ってお参りをしよう。
お墓が遠方にある、なかなか帰省できないといった場合でも、自宅の仏壇に手を合わせたり、故人の写真にお花やお供えをするだけでも、十分な供養となる。
お彼岸は、自分がご先祖様から命を繋いできた存在だと改めて気づき、感謝する良い機会なのかもしれない。



