日本オリジナルのお墓「五輪塔」とは?

緑に囲まれた境内に立つ石造の五輪塔 お墓

五輪塔(ごりんとう)は、五つの部分で構成される仏教の石塔です。
供養塔や墓として用いられ、文化財として残る古い五輪塔もあります。
形の意味と、今のお墓に建てる場合の確認事項を整理します。

五輪塔は地・水・火・風・空を表す

五輪塔は、宇宙を構成するとされる五つの要素「五大(ごだい)」を形に表した塔です。
文化庁の資料では、宝塔(ほうとう)を原型として12世紀ごろに作られ始めた、中世を代表する石塔の一つと説明されています。

下から順に五つの部分を見る

  • 地輪(ちりん):一番下の方形の部分。
  • 水輪(すいりん):球形の部分。
  • 火輪(かりん):屋根のような山形の部分。
  • 風輪(ふうりん):半球形の部分。
  • 空輪(くうりん):一番上の宝珠(ほうじゅ)形の部分。

時代や材質によって細部の形には違いがあり、空輪と風輪を一つの石で作る例もあります。
「必ず五個の別々の石を積む」という意味ではありません。

お墓にも供養塔にも用いられる

五輪塔は、個人をしのぶものや先祖の供養のためのものなど、さまざまな形で建てられてきました。
古い石塔がある場合も、見た目だけでその内部や足元に遺骨があると決めつけることはできません。
文化財や寺院の石塔を動かしたり、内部を確認したりしないようにしましょう。

宝篋印塔との違い

宝篋印塔(ほうきょういんとう)も仏教の石塔ですが、塔身や笠、相輪(そうりん)などからなる別の形式です。
「五輪塔は死後50年以上、宝篋印塔は100年以上の人のため」と、経過年数だけで使い分ける一般共通の基準があるわけではありません。
建てる目的は寺院に相談してください。

宗派や寺院によって考え方が異なる

刻む梵字(ぼんじ)や文字、塔を建てる意味は、宗派や寺院によって異なります。
インターネットの対応表だけを見て、梵字や名号を自分で決めないようにします。

たとえば浄土真宗本願寺派の公式案内では、お墓の形にこだわらず、宝塔などは建てなくてよいと説明されています。
五輪塔を供養のために必ず建てるべきものと考えず、自分の菩提寺(ぼだいじ)に相談しましょう。

新しく建てる場合の確認事項

墓地の規格と安全な設置

墓地の使用規則で、高さや設置範囲、基礎工事、施工する石材店などを確かめます。
背の高い塔は、石の接合方法や耐震上の配慮も確認したい点です。
既存の墓石との配置や、掃除・参拝の動線も図面で確認します。

見積りに含まれる範囲

五輪塔の費用は、寸法、石材、加工、基礎工事、搬入条件によって変わります。
全国一律の金額で判断せず、石材費、彫刻、運搬、設置・基礎工事、既存設備の撤去がそれぞれ含まれるかを見積書で比べましょう。

建立後の管理

誰が手入れをするか、将来のお墓の承継や撤去をどうするかも家族と共有します。
建立の法要、納骨の有無、戒名・法名などの刻字は、施工前に寺院へ確認してください。

形の由来と、今必要な供養を分けて考える

五輪塔の歴史を知ることと、自宅のお墓に必ず五輪塔を設けることは別です。
宗派の教え、墓地の規則、予算や管理の見通しを合わせて判断しましょう。

宗派と刻字の関係は、仏教宗派によるお墓の違いとは?で説明しています。
墓石や供養方法の選び方は、お墓とは?種類・費用・選び方、納骨から墓じまいまでわかる基礎知識をご覧ください。

参考資料

情報確認日:2026年10月16日。

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