はじめに
「終活を始めた方がいい」と聞いても、実際に何をすればよいのかわからない人は多いのではないでしょうか。
終活で何から始めればよいかわからない方は、まずこの記事から読んでください。
終活というと、お墓や葬儀など、自分が亡くなった後の準備を思い浮かべるかもしれません。
しかし、終活で考えておきたいことはそれだけではありません。
身の回りの整理やエンディングノート、介護や医療についての希望、財産や相続、スマートフォンやインターネット上の情報など、内容は幅広くあります。
すべてを一度に決める必要はありません。
元気なうちに少しずつ整理しておくことで、自分の希望を家族に伝えやすくなり、将来家族が判断に迷う場面を減らすことにもつながります。
この記事では、終活とは何か、いつから始めればよいのか、何を準備しておけばよいのかを順番に解説します。
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終活とは、人生の終わりを見据えながら、自分のこれからの生活や、もしものときに必要になることを整理しておく活動です。
「死ぬための準備」という印象を持たれることもありますが、本来はそれだけではありません。
自分がこれからどのように暮らしたいのかを考え、家族に伝えておきたいことや、整理しておきたいことを確認する機会でもあります。
例えば、不要な物を片付けるだけでも終活の一つです。
家族に連絡してほしい人を書き出したり、スマートフォンの重要な情報を整理したりすることも終活に含まれます。
葬儀やお墓について自分の希望を考えることもあれば、介護が必要になったときにどのような生活を望むのかを家族と話しておくこともあります。
つまり終活とは、「自分が亡くなった後」のことだけではなく、「これからをどう生きるか」まで含めて考えるものといえるでしょう。
終活はいつから始めればいい?
終活を始める年齢に決まりはありません。
60代や70代になってから始める人もいれば、親の介護や身近な人の死をきっかけに、もっと若いうちから考え始める人もいます。
重要なのは、年齢よりも自分で考えたり判断したりできるうちに始めることです。
病気や事故は予想できません。
また、介護が必要になったり認知機能が低下したりすると、自分の希望を整理したり、財産や契約内容を確認したりすることが難しくなる場合があります。
元気なうちであれば、急いで決める必要もありません。
まず一つ整理して、しばらくしてから続きを考えるという進め方もできます。
終活を始めようと思ったときが、始めるタイミングと考えてよいでしょう。
終活では何をする?

終活には決まった順番があるわけではありません。
ただし、何をすればよいかわからない場合は、自分で簡単に始められることから取り組むと進めやすくなります。
ここでは、終活で考えておきたい代表的な内容を紹介します。
エンディングノートを書く
何から始めればよいかわからない人には、エンディングノートが始めやすい方法です。
エンディングノートには、自分の基本情報や家族への連絡事項、財産、医療や介護についての希望、葬儀やお墓について考えていることなどを書き残します。
すべての項目を埋める必要はありません。
わかるところや、家族に伝えておきたいところから書けば十分です。
一度書いた内容も、生活環境や考え方が変われば書き直せます。
なお、エンディングノートそのものには、一般的に遺言書のような法的効力はありません。
財産の分け方など法的な効力を持たせる必要がある内容については、遺言書など別の方法を検討する必要があります。
エンディングノートに何を書けばよいのか迷う方は、必要な項目や家族に残しておきたい情報をまとめた エンディングノートで絶対書かなければならない情報とは? も参考にしてください。
生前整理を始める
家の中にある物を整理することも、代表的な終活の一つです。
長年暮らしていると、家具や衣類、書類、趣味の品などが少しずつ増えていきます。
本人にとっては必要な物でも、家族には価値や処分方法がわからない場合があります。
すべてを捨てることが生前整理ではありません。
残したい物、家族に譲りたい物、売却したい物、処分してよい物を整理しておくだけでも、将来の負担を減らせます。
通帳や保険証券、不動産関係の書類など、重要書類の保管場所を確認しておくことも大切です。
生前整理をどこから始めるか、家族とどのように進めればよいかについては、 生前整理は「親の責任」である:子どもの未来を思いやる最後の準備 で詳しく解説しています。
写真やアルバムを整理する
写真やアルバムは、生前整理の中でも後回しになりやすい物です。
大量の写真が残されると、家族はどの写真を残せばよいのか判断できないことがあります。
写真を一枚ずつ処分する必要はありません。
大切な写真を選んだり、人物や撮影場所がわかるようにしておいたりするだけでも整理になります。
紙の写真をデジタル化する方法もあります。
大量の写真をどう整理するか、残す写真と手放す写真をどう決めるかについては、 「終活」の第一歩はアルバム整理から〜残された人に迷惑をかけないためには で詳しく紹介しています。
また、自分らしい写真を何枚か選んでおけば、将来遺影写真を選ぶ際にも家族が困りにくくなります。
遺影に使う写真を元気なうちに選んでおきたい方は、 失敗しない生前遺影作り も参考にしてください。
デジタル情報を整理する
現在の終活では、スマートフォンやパソコン、インターネット上の情報も忘れることができません。
メール、SNS、ネット銀行、証券口座、電子マネー、サブスクリプションサービス、クラウド上の写真など、本人しか把握していない情報が増えています。
契約しているサービスを一覧にしたり、重要なデータがどこにあるのかを整理したりしておくとよいでしょう。
ただし、パスワードを誰でも見られる場所にそのまま書いておくのは危険です。
安全性を考えながら、家族が必要になったときに存在を確認できる方法を考えておくことが大切です。
スマートフォンやパソコン、SNS、ネット銀行などを整理する具体的な方法は、 デジタル終活とは?やること・進め方・デジタル遺品の整理方法 で詳しく解説しています。
介護や医療について考える
将来、自分で意思を伝えることが難しくなった場合に備えて、介護や医療について希望を考えておくことも終活の一つです。
どこで暮らしたいのか、誰に相談してほしいのか、どのような医療やケアを希望するのかなどを家族と話しておきます。
一度決めた内容を変えてはいけないわけではありません。
健康状態や生活環境によって考え方が変わることもあります。
そのため、書類を作るだけでなく、家族や身近な人と繰り返し話しておくことが大切です。
将来の介護や終末期医療について、どのようなことを考えて家族へ伝えておけばよいのかは、 万が一に備えて考えておきたい介護のこと。介護や医療方針について で詳しく紹介しています。
葬儀について希望を決めておく
自分の葬儀について、細かな内容まですべて決める必要はありません。
ただし、家族葬を希望するのか、一般葬を希望するのか、呼んでほしい人はいるのかなど、基本的な希望があれば家族に伝えておくとよいでしょう。
宗教や宗派、菩提寺の有無なども、家族が把握していないことがあります。
葬儀社と生前相談をして、費用や葬儀の内容を確認しておく方法もあります。
希望を残す場合は、家族が実際に実行できる内容かどうかも考えておく必要があります。
葬儀の種類や費用、一般的な流れ、生前に確認しておきたいことについては、 葬儀とは?費用相場・流れ・種類と後悔しないための準備 でまとめて解説しています。
お墓や供養について考える
お墓や遺骨の供養方法も、本人の希望と家族の考えが分かれやすいテーマです。
一般墓だけでなく、納骨堂、樹木葬、永代供養墓など、現在はさまざまな選択肢があります。
先祖代々のお墓がある場合でも、そのお墓を将来誰が管理するのかを考えておく必要があります。
墓じまいや改葬を検討する家庭もあります。
自分がどのような供養を希望するのかを家族と話し合っておくことで、亡くなった後に家族だけで判断しなければならない状況を減らせます。
一般墓、納骨堂、樹木葬、永代供養など、自分に合った供養方法を比較したい方は、 お墓とは?種類・費用・選び方、納骨から墓じまいまでわかる基礎知識 を参考にしてください。
財産や相続を整理し、遺言書を検討する
預貯金、不動産、株式、保険などの財産がどこにあるのかを整理しておくことも重要です。
借入金やローンなどの負債がある場合も、家族が確認できるようにしておきます。
まず必要なのは、誰に何を渡すかを決めることより、自分がどのような財産や契約を持っているのかを把握することです。
そのうえで、自分の希望に応じて遺言書などを検討します。
遺言書には法律上の決まりがあるため、作成する場合は正しい方法を確認する必要があります。
相続関係が複雑な場合や、特定の人に財産を残したい場合などは、専門家への相談も検討しましょう。
遺言書の種類や作成方法、費用、法的な効力、無効になりやすい例については、遺言書とは?種類・書き方・費用・効力と作成方法をわかりやすく解説で詳しく解説しています。
相続の基本から遺言書、相続税、財産の調べ方などを確認したい方は、 相続の記事一覧 から必要な内容をご覧ください。
何から始めればいいか迷ったら
終活には多くの項目があるため、一覧を見るとかえって負担に感じる人もいます。
その場合は、すべてを一度に始める必要はありません。
例えば、今日は不要な書類を整理する。
別の日にはエンディングノートへ緊急連絡先を書く。
また時間があるときに、スマートフォンで利用しているサービスを確認する。
この程度から始めても十分です。
特に始めやすいのは、エンディングノートと身の回りの整理です。
作業を進めていくうちに、「この保険は家族が知っているだろうか」「お墓はどうするのだろう」「介護が必要になったらどこで暮らしたいだろう」と、次に考えることが自然に見えてきます。
終活は完成させることを目的にするより、一つずつ不安やわからないことを減らしていくと考える方が続けやすいでしょう。

終活は一度決めたら終わりではない
終活で整理した内容は、その後も変わる可能性があります。
家族構成が変わることもあれば、引っ越しや病気によって生活環境が変わることもあります。
財産や契約しているサービスも増減します。
以前は一般墓を希望していた人が、数年後には納骨堂や樹木葬を希望するようになることもあるでしょう。
そのため、終活は一度行って終わりではなく、定期的に見直すことが大切です。
誕生日や年末年始など、自分で時期を決めて確認する方法もあります。
変更があればエンディングノートなどを書き直し、必要に応じて家族にも伝えておきましょう。
まとめ
終活とは、自分が亡くなった後の準備だけをするものではありません。
身の回りを整理し、介護や医療、葬儀、お墓、財産などについて考えることで、これからの生活を整理する機会にもなります。
最初からすべてを決める必要はありません。
エンディングノートを書く、写真を整理する、利用しているサービスを書き出すなど、できることから始めれば十分です。
そして、自分だけで決めるのではなく、必要なことは家族や身近な人にも伝えておきましょう。
終活を少しずつ進めておくことは、自分の希望を残すだけでなく、将来家族が迷ったり困ったりする場面を減らすことにもつながります。



