お墓の違いは、墓石の形だけでなく、刻む文字や法要の呼び方、お参りの作法にも表れます。
ただし、同じ宗派でも寺院や地域の慣習、墓地の規則によって異なります。
石材店へ注文する前に、菩提寺(ぼだいじ)と墓地管理者に確認しましょう。
墓石の形と宗派は一対一ではない
縦長の和型墓石、横に広い洋型墓石、五輪塔(ごりんとう)などの形がありますが、宗派名から選べる形を一律に決めることはできません。
寺院としての考え方と、区画の高さ・大きさなどの建墓規則を分けて確認します。
すでに家のお墓がある場合は、先祖の記録や家族の希望も含めて相談してください。
違いを知ることは大切ですが、他宗派の形式を誤りと決めつける必要はありません。
刻む文字に宗派の考え方が表れる
日蓮宗の例
日蓮宗の公式案内では、「南無妙法蓮華経」の題目(だいもく)や、「妙法」を付した家名による刻字が紹介されています。
具体的な字形や配置、家名の表記は菩提寺に確認し、石材店の文字見本だけで決めないようにします。
浄土真宗本願寺派の例
浄土真宗本願寺派の公式案内では、墓石の形にこだわらず、正面に「南無阿弥陀仏」の名号(みょうごう)を刻むことなどを勧めています。
また、法名を記す碑について「法名碑」という呼び方を案内しています。
これは本願寺派の説明であり、すべての宗派に同じ呼び方を当てはめるものではありません。
梵字や記号は寺院へ確認する
墓石に梵字(ぼんじ)や円相(えんそう)などを刻む例もあります。
用いる字や位置を、宗派名だけで断定しないことが大切です。
梵字は似た字形もあるため、僧侶から示された原稿をもとに、彫る前の校正で確認してください。
完成時の法要やお参りにも違いがある
新しいお墓の完成時に行う儀式は、宗派により呼び方や意味が異なります。
たとえば本願寺派では「建碑式」と案内され、「お性根入れ」とは呼ばないと説明されています。
線香の本数や置き方、塔婆(とうば)を用いるかどうかも、すべてのお寺に共通ではありません。
供養の形を一式そろえる前に、必要なものを菩提寺へ尋ねましょう。
宗旨・宗派不問の霊園でも利用規則を確認する
宗旨・宗派不問という案内があっても、どのような刻字や儀式でも自由に行えるとは限りません。
墓石の規格、香炉や塔婆立ての設置、外部の僧侶による法要、供花や供物の扱いを管理者に確認します。
永代供養墓や納骨堂では、施設が行う供養の宗派と、利用する人の宗派が異なる場合もあります。
利用者に求める条件と、実際にどのような法要を行うかを分けて確かめてください。
注文前の確認リスト
- 菩提寺の宗派と、今回相談する窓口はどこか。
- 墓石の形・寸法は、寺院と墓地の規則に合うか。
- 正面の文字、戒名・法名、俗名、没年月日の原稿に誤りはないか。
- 梵字や旧字体の形、文字の向きを校正できるか。
- 完成時の法要と納骨に必要な準備は何か。
五輪塔の形や意味は、日本オリジナルのお墓「五輪塔」とは?で説明しています。
お墓選びの全体像は、お墓とは?種類・費用・選び方、納骨から墓じまいまでわかる基礎知識をご覧ください。
参考資料
情報確認日:2026年10月16日。



