宇宙葬は、遺骨の一部などをロケットや宇宙機に搭載して送り出す供養サービスとして案内されています。
ただし、飛行する場所、地上へ戻るかどうか、遺骨の扱いはプランごとに異なります。
「宇宙葬」という名称だけで内容を判断せず、実際の飛行計画と契約条件を確認しましょう。
宇宙葬にはどのような種類があるか
米国の事業者Celestisは、地上へ戻る飛行、地球周回軌道、月、深宇宙へ向かうサービスを案内しています。
これは同社のサービス分類であり、すべての事業者が同じ内容を提供しているわけではありません。
- 地上へ戻る飛行:搭載したカプセルなどを飛行後に回収する方式
- 地球周回軌道:人工衛星などとともに地球の周囲を回る方式
- 月へ向かう飛行:月を目的地とする宇宙機などに搭載する方式
- 深宇宙へ向かう飛行:地球周辺を離れる計画の宇宙機などに搭載する方式
「月へ向かう」と「月面に到達する」も同じ条件とは限りません。
目的地、飛行計画、契約上どこまでをサービスの完了とするかを確認してください。
遺骨を宇宙にまくとは限らない
Celestisは、遺骨などを宇宙空間に放出しないと説明しています。
地球周回サービスではロケットの一部や衛星に取り付けた状態で飛行し、再突入する設計が案内されています。
宇宙葬をすべて「宇宙への散骨」と表現するのは正確ではありません。
気球によるサービスとは区別する
気球を使った供養サービスと、ロケットで宇宙空間へ向かうサービスは、飛行の仕組みや到達高度が異なります。
名称やイメージ写真だけで同一視せず、何をどこへ運び、その後どう扱うのかを事業者に確認しましょう。
日本から申し込む前に確認する相手
国内窓口を利用する場合は、国内の契約相手と、実際に飛行を行う事業者の両方を確認します。
取次窓口であれば、どの業務を担当し、トラブル時は誰が対応するかを明確にしましょう。
- 国内窓口の正式名称、所在地、連絡先
- 実施事業者と対象ミッションの正式名称
- 契約書の言語と、問い合わせ・返金対応の窓口
- 遺骨の預かりから搭載までの管理方法
- 事業者の変更や中止時に、遺骨を返してもらえる条件
過去に打上げ実績があっても、今申し込む便の実施や予定日を保証するものではありません。
最新の募集状況は、当該ミッションの公式案内と契約書で確認します。
申込みから実施までの流れ
- 家族と希望を話し合い、サービスの種類を決める
- 見積もりと契約書を取り寄せ、延期・中止時の条件を確認する
- 必要な遺骨の量、加工の要否、提出書類を確認する
- 指定の方法で遺骨を引き渡し、預かりの記録を受け取る
- 打上げ予定の連絡を受け、参加・配信などの案内を確認する
- 実施後に、搭載・飛行を確認できる資料を受け取る
必要な遺骨量や容器の大きさはプランごとに異なります。
粉骨(ふんこつ)などの加工を自分で先に進めず、事業者の指定を確認してください。
海外へ送る場合の配送方法や必要書類も、窓口に確認します。
費用は追加項目まで含めて比較する
宇宙葬の費用は、目的地、搭載量、サービス内容、為替などによって変わります。
古い価格や「月へ送るなら一律いくら」といった数字を、そのまま現在の予算に使わないようにしましょう。
- 基本料金、消費税、国内窓口の手数料
- 粉骨や容器、遺骨の輸送・保管にかかる費用
- 式典参加、渡航、宿泊、通訳などの費用
- 証明書や記念品の費用
- 延期・中止・再打上げ時の追加負担と返金条件
見積もりの有効期限、外貨建ての場合の換算方法、支払時期も確認します。
打上げ見学の旅費は、予定変更時の取消料も含めて考えましょう。
延期・失敗時の契約を先に読む
ロケットの打上げ日程は、天候や技術上の事情などで変更されることがあります。
打上げ成功と、契約した目的地への到達やサービス完了が同じ意味かも確認が必要です。
- 予定が長期間延期された場合、解約や返金ができるか
- 打上げ失敗や目的地未到達の場合、再実施されるか
- 再実施に使う遺骨を別に保管するのか、追加提出が必要か
- 遺骨が戻らない場合の説明と補償はどう定められているか
地球を回る時間や、再突入する日時、地上から見えるかどうかも一律ではありません。
「必ず流れ星として見られる」といった期待を前提に申し込まないことが大切です。
残る遺骨と家族の供養を考える
遺骨の一部を搭載する場合は、残る遺骨の保管・納骨・供養方法も決めておきます。
必ず先祖代々のお墓に納めなければならないわけではありません。
家族の意向と、利用する墓地・納骨堂などの条件を確認しましょう。
生前に希望する場合は、契約先、費用の支払い状況、必要な連絡先を家族が分かるように残します。
宇宙へ送る希望だけでなく、実施できなかった場合にどうしてほしいかも話し合っておくと、家族が判断しやすくなります。



