エンディングノートに自分史を追加するには?AIを活用した簡単な作り方

エンディングノートと日記を見ながら自分史を書く高齢女性 終活

はじめに

エンディングノートには、預貯金や保険、介護や医療、葬儀やお墓についての希望だけでなく、自分の人生について書いても構いません。
どこで生まれ、どんな子ども時代を過ごし、どのような仕事をして、誰と出会ってきたのか。
そうした人生の記録をまとめたものが「自分史」です。
ただし、自分史と聞いて、一冊の本のような長い文章を書かなければならないと思う必要はありません。
思い出した出来事を年表にしたり、昔の写真に短い説明を書いたりするだけでも自分史になります。
最近では、家族に話を聞いてもらったり、専門の制作サービスを利用したり、生成AIと対話しながら文章をまとめたりする方法もあります。
この記事では、エンディングノートに自分史を書く意味と、何を書けばよいのか、無理なく作る方法について紹介します。

エンディングノートの自分史とは

自分史とは、自分がこれまで歩んできた人生を、自分自身の視点で振り返って記録したものです。
一般的な歴史書のように、出来事を正確な年代順に記録することだけが目的ではありません。
「あのとき何を考えていたのか」
「なぜその仕事を選んだのか」
「家族とのどんな思い出が残っているのか」
といった本人にしかわからない記憶や気持ちも大切な自分史になります。
エンディングノートの中では、自分史は必ず書かなければならない項目ではありません。
しかし、預貯金や契約の情報だけではわからない「その人がどのような人生を送ってきたのか」を家族に残すことができます。
また、自分自身にとっても、これまでの人生を振り返る機会になります。

エンディングノートに何を書くのか、基本的な項目や遺言書との違いについては、エンディングノートとは?何を書く?書き方・遺言書との違いと家族で作るメリットで詳しく解説しています。

自分史を書くことにはどんな意味がある?

自分史は、亡くなった後に家族へ残すためだけのものではありません。
書いている本人にとっても意味があります。

自分の人生を振り返ることができる

長い人生を送っていると、昔の出来事を改めて振り返る機会は意外と少ないものです。
子どものころ夢中になっていたこと。
進学や就職を決めた理由。
仕事で苦労したことや達成感を感じたこと。
結婚や子育て、友人との付き合い。
こうした出来事を書き出してみると、自分が何を大切にして生きてきたのかが見えてくることがあります。
「いつかやりたかったこと」を思い出し、これからの時間の使い方を考えるきっかけになることもあるでしょう。

家族が知らない自分を残せる

親子であっても、お互いの人生をすべて知っているわけではありません。
子どもは、親の子ども時代を見ていません。
親がどのような学生だったのか、どんな仕事をしていたのか、配偶者とどのように出会ったのかを詳しく知らないこともあります。
本人には何でもない昔話でも、子どもや孫にとっては初めて知る家族の歴史になることがあります。
自分史を残しておけば、写真だけでは伝わらない当時の出来事や思いも一緒に伝えられます。

自分史には何を書けばいい?

自分史に決められた書式はありません。
生まれてから現在までをすべて書く必要もありません。
何を書けばよいかわからない場合は、次のような項目から思い出してみるとよいでしょう。
・生まれた場所や育った町
・両親や兄弟姉妹との思い出
・子どものころの遊びや好きだったこと
・学校生活や友人との思い出
・進学や就職を決めた理由
・どのような仕事をしてきたか
・結婚や配偶者との出会い
・子どもが生まれたときの思い出
・引っ越しや転職など人生の転機
・夢中になった趣味
・旅行や忘れられない出来事
・人生でうれしかったこと
・大変だったことや、それをどう乗り越えたか
・大切にしてきた考え方
・家族や友人に伝えておきたい思い出
全部を書く必要はありません。
「これは残しておきたい」と思うことだけを選んでも十分です。
家族に知っておいてほしい出来事や、自分自身が忘れずに残しておきたい思い出を優先すると書きやすいでしょう。

自分史は年表から始めると書きやすい

最初から文章を書こうとすると、何から始めればよいのかわからなくなることがあります。
その場合は、まず簡単な年表を作ってみましょう。
例えば、
・1959年 神戸市で生まれる
・1966年 小学校入学
・1978年 大学進学
・1982年 会社に就職
・1987年 結婚
・1989年 長女誕生
・2005年 転職
という程度でも構いません。
正確な年月を思い出せなければ、「30歳ごろ」「子どもが小学生のころ」などでもよいでしょう。
年表を作っているうちに、「そういえば、このころにこんなことがあった」と記憶がつながっていくことがあります。

写真や昔の品物から思い出してみる

アルバムや昔の写真を見ることも、自分史を作るきっかけになります。
一枚の写真から、撮影した場所、一緒に写っている人、そのころの仕事や生活など、さまざまな記憶がよみがえることがあります。
卒業証書、旅行のお土産、昔の手帳、年賀状なども思い出す手掛かりになります。
写真の横に「家族で初めて北海道へ旅行したとき」と一言書くだけでも、自分史の一部になります。

書きやすいところから始める

自分史だからといって、誕生から順番に書く必要はありません。
一番よく覚えている仕事の話から書いても構いません。
旅行が好きだった人なら、印象に残った旅から始めてもよいでしょう。
書いているうちに別の出来事を思い出したら、後から追加すればよいのです。
エンディングノートも自分史も、一度で完成させる必要はありません。

自分史は自分一人で作らなくてもよい

文章を書くことが得意ではなく、「自分史なんて自分には無理だ」と感じる人もいるでしょう。
しかし、自分一人ですべてを書かなければならないわけではありません。

家族に話を聞いてもらう

自分で文章を書くのが難しい場合は、家族に昔の話を聞いてもらう方法があります。
「子どものころはどんな家に住んでいた?」
「お父さんとお母さんはどこで知り合ったの?」
「仕事で一番大変だったことは?」
と質問してもらい、思い出したことを話します。
家族がメモを取ったり、本人の了承を得て会話を録音したりして、後から整理することもできます。
この方法なら、自分史作りそのものが親子や夫婦で昔の話をする機会になります。

エンディングノートを家族と一緒に作る意味や、家族だからこそ確認しておきたいことについては、親のエンディングノートで家族は何を知る?一緒に作る意味とはも参考にしてください。

自分史制作サービスを利用する方法もある

自分史を本格的な一冊の本として残したい場合は、自分史の制作を手伝ってくれるサービスを利用する方法もあります。
出版社や自分史制作会社などには、本人へのインタビューをもとに原稿を作成したり、本人が書いた原稿を編集したり、写真を加えて印刷・製本まで行ったりするサービスがあります。
自分では文章を書くのが難しい人や、長寿祝いなどを機会に家族へ残す一冊を作りたい人には選択肢の一つです。
依頼する場合は、どこまでの作業が料金に含まれているのか、完成する本の仕様や部数、修正回数などを確認してから申し込みましょう。

AIと一緒に自分史を作る方法もある

現在は、生成AIに協力してもらいながら自分史を作ることもできます。
これは文章を書くのが苦手な人にとって、特に利用しやすい方法です。
いきなりAIに「私の自分史を書いて」と頼む必要はありません。
まず、
「自分史を作りたいので、子ども時代から順番に一つずつ質問してください」
と頼んでみます。
AIから質問されたことに、自分の言葉で答えていきます。
例えば、
「どこで生まれましたか?」
「子どものころは何をして遊んでいましたか?」
「学生時代に一番印象に残っていることは何ですか?」
「最初に就いた仕事は何ですか?」
「人生の大きな転機はありましたか?」
などと質問してもらいます。
答えが短くても構いません。
何度かやり取りした後で、
「ここまで話した内容を、私の自分史として年代順に整理してください」
と頼めば、話した内容を文章として整理する手助けをしてもらえます。
さらに、
「この出来事について、もう少し詳しく思い出せるように質問してください」
と頼む方法もあります。
自分では忘れていた出来事を思い出すきっかけになるかもしれません。

エンディングノートと一緒に作ると始めやすい

エンディングノートには、家族、仕事、友人、住んできた場所、趣味、家族へのメッセージなど、自分史につながる情報がたくさんあります。
そこで、エンディングノートを書きながら、思い出したことを別に残しておく方法があります。
例えばエンディングノートに「勤務先」を書いたとき、
「この会社ではどんな仕事をしていたのか」
「印象に残っている同僚は誰だったのか」
「仕事で一番うれしかったことは何だったのか」
まで少し掘り下げれば、それが自分史になります。
AIを利用する場合も、エンディングノートの項目をきっかけに質問を作ってもらえば進めやすくなります。
エンディングノートを完成させる作業と、自分史を作る作業を別々に考える必要はありません。
二つを一緒に進めることで、単なる情報の記録だけではない、自分らしいエンディングノートにすることができます。

AIを使うときは個人情報に注意する

AIは自分史作りの便利な手助けになりますが、入力する内容には注意が必要です。
「自分史には、本人や家族の名前や勤務先のほか、住所、病歴、財産などの個人情報が含まれることがあります。」
利用するAIサービスのデータの取り扱いや設定を確認し、入力する必要のない重要な個人情報は避けましょう。
特に、銀行口座の暗証番号、クレジットカード番号、各種サービスのパスワードなどを、自分史を作るためにAIへ入力する必要はありません。
AIが作った文章をそのまま自分史にする必要もありません。
事実と違う部分がないかを自分で確認し、「自分ならこう言う」と思う言葉に直していくことも大切です。
AIは自分史の作者ではなく、自分の記憶を引き出して文章にまとめる手伝いをする相手として利用するのがよいでしょう。

自分史は立派な本でなくてもいい

自分史という言葉から、何十ページ、何百ページもある本を想像する人もいるかもしれません。
しかし、家族に人生を残すことが目的なら、立派な本である必要はありません。
数ページの年表でも構いません。
写真と短い思い出を並べたものでも構いません。
ノートに手書きしても、パソコンで作っても、家族との会話を記録してもよいでしょう。
本格的に残したければ専門の制作サービスを利用する方法もあり、自分で作りたければ生成AIに手伝ってもらう方法もあります。
大切なのは形式ではなく、「自分はどのような人生を歩んできたのか」を自分らしい方法で残すことです。

親の自分史を一緒に作ってみたい場合は、いきなりエンディングノートを書いてもらうのではなく、昔の写真や思い出話から始める方法もあります。
詳しくは、親にエンディングノートを書いてもらうには?嫌がるときの切り出し方と進め方をご覧ください。

エンディングノートを書くことをきっかけに、自分の人生を少し振り返ってみてはいかがでしょうか。
それは家族への記録になるだけでなく、これからの自分が何を大切にして生きたいのかを考える機会にもなるでしょう。

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