永代供養と永代使用の違いや特徴について

この記事は約4分で読めます。

はじめに

終活の中でお墓選びをしていると「永代供養」や「永代使用」という言葉を聞く機会がありますが、呼び方が似ているため同じような意味にとらえられがちです。
しかし、呼び方は似ているものの、使う場面やそれぞれ意味するものが違うので、自分に合った正しいお墓選びをするためにはきちんと区別して認識する必要があります。
そこで今回は、永代供養と永代使用の違いについて解説していきます。

永代供養について

永代供養と永代使用の違いや特徴について
まずは永代供養についてですが、永代供養とは故人の遺骨をお寺や霊園が預かり、永代に渡って供養・管理するという供養方法のことを指します。
永代供養は最近になって耳にする機会が多くなりましたが、それにはいくつかの理由があります。

永代供養が注目される背景

昔は誰かが亡くなると先祖代々引き継いできたお墓に入り、親族に供養してもらうというのが一般的でしたが、近年少子高齢化による若い世代の減少に伴い、お墓を持つ人が減少しています。
そこで、お寺や霊園に供養・管理をしてもらうことができる永代供養が時代のニーズに合致するということで注目を集めています。
また、お墓に対する意識や死生観の変化も、永代供養のニーズに関係します。
今まではあの世に行った霊魂がお墓に降りて来ると考えられていたため、お墓は亡くなった人と家族をつなぐものでした。
しかし、現在では宗教的な考えを持った人は少なくお墓に特別な意味を見出すこともなくなりました。
このようなお墓の管理継承者の減少や、供養に対する意識の希薄化といった価値観の変化により、永代供養の需要は増えつつあります。

永代使用とは?

永代供養と永代使用の違いや特徴について
永代使用とはお墓を建てる区画の土地を使用することです。
お墓を建てるときは必ず使用料を支払って管理者から永代使用を認めてもらう必要がありますが、この際に支払う料金を永代使用料といいます。
「土地の使用権を認めてもらっている」ということを意識する機会はないですが、墓地の購入者は土地を購入して所有権を得ているわけではないので、お墓を建てるときは必ず永代使用料を支払います。
つまり、永代使用は永代にわたっての使用権が認められるので、土地を購入することと近いと言えますが、あくまで土地の使用権を得ているだけであり、所有権までは発生しません。

永代供養との違いは?

お墓を建てる場合は、永代使用料を支払うことで「土地の使用権」を得ることができます。
しかし、永代供養では寺院などに対して遺骨の管理や供養を依頼するだけなので、墓地の使用権が認められるわけではありません。
このように永代使用と永代供養ではお金を支払う目的やそれに対する対価も大きく異なります。
また、永代使用は墓地を契約した時に使用料を払えばその後更新する必要がありません。
これに対して永代供養の場合は一定の安置期間が定められていて、その期間を過ぎた場合は他の遺骨と共に永代供養墓などで合祀される場合が多いです。

永代供養の種類

永代供養と永代使用の違いや特徴について
永代供養は大きく分けて個別安置型と集団安置型に分かれています。
それぞれの違いについては以下をご覧下さい。

集団安置型永代供養

集団安置型永代供養は、複数の人の遺骨を共通のスペースに収め、それぞれの遺骨を納めた場所に個別の墓石を建てる方法です。
個別安置型とは違い個別の墓石を一区画にまとめて建てるタイプなので、後から遺骨を復元することもできます。
一方で、遺骨が他の人と共通のスペースに安置されることから、一人毎に区画が分けられている一般的なお墓に慣れている人にとっては抵抗を感じることもあります。

特徴

合葬タイプは複数の人の遺骨を一緒に管理するので、費用を抑えることができます。
ただし、他の人の遺骨と一緒に納骨するので遺骨が混ざってしまうため、そういったことを気にする人にはあまり向いていません。
また、後で遺骨を取り出すこともできないので、遺骨の埋葬場所を移動させる予定がある人は注意しましょう。

費用感

相場は10万円~30万円くらいで、立地やデザインによって金額が変わります。
合祀タイプの場合、料金設定は1人分の金額なので、複数人の利用を考えている場合には人数分だけ追加料金がかかります。
また、維持費や管理費が掛かる場合もあるため、事前に寺院や霊園に確認しておきましょう。

個別安置型永代供養

個別安置型永代供養は、一つのお墓に個人の遺骨のみを収める供養方法で、一般的なお墓と同じように一定の区画を購入して墓石を建てます。
通常のお墓と形式的には変わりませんが、管理や供養はお寺に任せることができるので、他の人の遺骨と同じスペースに収納されることに抵抗があるという人に向いています。

特徴

個別納骨タイプは自分のお墓を建てることができるだけでなく、墓石のデザインも自由に選べます。
また、お墓の管理を寺院や霊園に依頼できるので、家族がいなかったり遠方に住んでいてお墓の管理を任せられないという場合でも安心してお墓に入ることができます。
他にも夫婦墓や家族墓のように多様化しつつある需要を満たすために、色々なプランも登場しているので、個別納骨を選ぶ人は事前にしっかりと比較検討することをおすすめします。

費用感

個別納骨の費用は、お墓に入る人数や墓石のデザインなどによって変わってきますが、30~100万円程が相場になります。
ただし、家族墓のように永代供養料が多くかかる場合は、100~300万円とかなりの高額になりやすいので、ネットなどを活用してなるべく安い霊園などを探すようにしましょう。