知っておきたい永代供養の家族墓

お墓

永代供養の家族墓

永代供養とは、残された家族や子孫に代わって、墓地管理者が永代に渡りお墓を管理する供養です。「お墓の後継者がいない」「後継者が遠方に住んでいてお墓の管理ができない」といった事情を抱える人が増えており、永代供養墓を選ぶ人が増えています。

永代供養のお墓は個人単位が主流でしたが、近年では家族で入れるタイプも増えてきました。それが「永代供養の家族墓」です。

なお、永代供養とは「永久的な供養」ではなく、三十三回忌や五十回忌の弔い上げをもって、合同供養や合祀されることになります。つまり、期限付きのお墓であり、遺骨は他の方の遺骨とともに合葬されます。

合祀されると個別に遺骨を取り出すことはできないため、将来的に子孫が遺骨を取り出してお墓を立てようとしても対応できないので注意しましょう。

永代供養の「家族」に決まりはない

永代供養の家族墓において、「家族」に関して制約は特にありません。むしろ永代供養墓は、血縁関係のない友人などでも一緒に入りやすいお墓であり、「墓友」とお墓に入りたいという方からも選ばれています。

永代供養の家族墓の種類

永代供養式の家族墓として選べるお墓には、いくつか種類があります。なかでも近年ではさまざまなタイプの納骨堂が誕生しており、家族で利用できるものが増えてきました。

なお、施設(霊園)によっても異なりますが、永代供養料のほかに管理費・年会費、法要のお布施、戒名料などが別途かかることがあります。

ロッカー式の納骨堂

納骨堂のなかにある、ロッカーのような棚に骨壺を納めます。1~2人用が主流ですが、家族(4人程度)で利用できるタイプもあります。費用は人数や立地によって大きく異なり、30万円程度で納骨できるところから、100万円以上かかるところもあります。

自動搬送式の納骨堂

屋内に参拝スペースがあり、参拝カードをかざすと奥から遺骨を収納した厨子が搬送されてきます。ただの納骨堂ではなく、室内でお墓参りができるのが特徴です。費用は人数や立地によって異なり、70~120万円ほど必要となります。

仏壇式の納骨堂

仏壇と納骨スペースが分かれているタイプで、1区画を1家族で購入します。自動搬送式は参拝スペースが共用になるのに対し、仏壇式は一般的なお墓のように1区画ごとの販売ですので自由に利用できます。

10体以上納骨できる施設もあり、そのぶん費用も高額となり、150~200万円ほどかかります。

樹木葬

樹木が墓石代わりとなる埋葬方法で、一般的には永代供養が多く、多種多様なタイプがあります。納骨数は少なめですが、施設によっては少人数の家族に対応する樹木葬もあります。

永代供養墓を選ぶときの注意点

「お墓の後継者がいない」「子どもの負担になりたくない」といった、家族との関わり方を理由に選ばれる永代供養墓ですが、購入の際は家族との話し合いも大切になります。

親族・子どもの合意を得る

永代供養墓は、一定期間後に合祀されます。合祀されると、他の方の遺骨とともに納骨されるため、個別に遺骨を取り出せなくなるわけです。

もし親族・子どもがおり、将来的にお墓を管理する可能性があるのであれば、永代供養墓に入ることを伝えて合意を得ておきましょう。

家族に生前予約を伝える

永代供養墓を選ぶ人の多くが、自分の没後に家族に迷惑をかけたくないと生前契約を行います。

このときに忘れてはいけないのが、家族に生前契約した永代供養墓を伝えることです。誰にも共有していないと、新たに別の墓地へ納骨されてしまう恐れがあります。遺言書やエンディングノートを活用するのもよいでしょう。

現在のお墓から永代供養墓に移る場合

一般的なお墓から永代供養のお墓に移る場合は、改葬して納骨し直す必要があります。

改葬とは、簡単に言うとお墓の引っ越し。埋葬されている遺骨を取り出し、所定の手続きを行ったうえで、新たなお墓に納骨することです。

もし現在のお墓を解約したい(墓じまい)のであれば、管理者とのやり取りが必要となります。とくに仏式の霊園の場合、墓じまいは離檀の相談となるため、離檀料などを請求されることもあります。

まとめ

「お墓の後継者がいない」「後継者が遠方に住んでいてお墓の管理ができない」といった事情から、永代供養墓を選ぶ人が増えています。

これまでの永代供養墓は1~2人用が主流でしたが、家族で入れるタイプも増えており、管理できない先祖のお墓をまるごと引っ越す(改葬)ことも可能となっています。

とくに納骨堂はさまざまなタイプが誕生しているので、納骨数や交通アクセス、費用などから、自分にあった家族墓を探してみるとよいでしょう。

タイトルとURLをコピーしました