家のバリアフリー化は介護保険を使うべき?

お金の問題

「家のバリアフリー化で介護保険は使えるの?」、「バリアフリー化で介護保険を使う流れが知りたい」と気になっている人は多いのではないでしょうか?

この記事では、家のバリアフリー化で介護保険が使えること、バリアフリー化で介護保険を使う流れなどについて説明します。

バリアフリー化で介護保険を使う予定のある人は、ぜひ参考にしてください。

家のバリアフリー化に伴う改修には介護保険が使える!

家のバリアフリー化をするための改修は介護保険を使うことができます。介護保険は医療保険に加入していれば40歳になると自動的に被保険者となるので特別な手続きは必要ありません。介護が必要な高齢者の治療や介護を支援するための保険制度で、本人や家族の負担が少ない状態で介護や支援サービスを受けられることを目的としています。

公的な介護保険では、訪問介護サービス、介護施設などへの入所、栄養食事指導、口腔ケア、入浴補助器具購入のための費用、車いすなどのレンタル費用、バリアフリー化のための住宅改修などへの支援を受けることができます。介護保険居住を利用したバリアフリー化の対象となるのは、自宅を改修すること、要介護認定を受けていること、改修する自宅に住んでいることが挙げられます。

また、リフォームのすべてが介護保険での改修に適用されるわけではなく、要介護者の生活で不便になることを解消するための改修のみが対象です。介護保険が適用となる対象リフォームは、手すり設置・段差解消・床材変更または滑り止め設置・扉の変更取り換え・便器取り換えです。手すり設置では廊下や便所、浴室、玄関などに取り付け工事を伴って手すりを設置することが適用条件です。

また、床の段差解消では居室や廊下、便所、浴室、玄関など床の段差を解消することが適用条件となり、床の材料変更では車いすに向いていない畳や滑りやすい床をフローリングや固い床材に変更することが条件となります。引き戸の設置は、開き戸を引き戸や折り戸、アコーディオンカーテンなどに変更、ドアノブの変更、戸車の設置などが条件です。便器の取り換えでは、和式便器から洋式便器に変更する場合だけ適用となります。

保険適用外のリフォームに注意

要介護者の生活改善が対象となるため、単純に洋式トイレから、より良い洋式トイレへに取り替えたい場合には補助対象外になります。手すりに関しても、福祉用具貸与に該当するものであれば対象とはなりません。手すりがないと階段の上り下りが危険であったり、足を曲げることが難しくなったため洋式便器に変更したいなどの場合には保険適用となります。

バリアフリー化に介護保険を使うための流れ

バリアフリー化をするために介護保険を使うには、要介護認定で要支援または要介護に認定されていることが前提となります。こちらでは、介護保険を利用して住宅改修を行うときの流れについて説明します。

ケアマネージャーに相談し、住宅改修・ケアプランをたてる

住宅改修のアドバイスをもらうためにも、まずはケアマネージャーや地域包括支援センターに相談しましょう。バリアフリー化のためのリフォームといっても、要支援や要介護の度合いや利用者の状況によって必要になる改修が異なります。生活環境や家族構成なども詳しくケアマネージャーなどに伝えることで本当に必要な工事を知ることができます。たくさんの事例を担当してきた経験豊富なケアマネージャーであれば無駄のない的確なアドバイスをしてくれるはずです。

施工業者に依頼し、見積もり作成

ケアマネージャーと相談して工事内容を決めた後は、リフォーム業者に依頼をして打ち合わせをします。打ち合わせの時に、介護保険制度を利用してバリアフリー化のための改修を行いたいことを伝えましょう。ケアマネージャーと決めた工事内容もリフォーム業者と共有して、住宅改修プランや図面、見積もりを作成してもらいます。

申請書の作成・提出、審査が通ってから着工する

リフォーム施工業者に相談して工事関係書類や申請書類を用意した後は、役所に申請書類を提出します。申請書類を役所に提出することで申請は完了し、役所の審査結果が出て審査に通ったことが分かってから改修工事を着工します。役所への申請後に改修工事をするのが基本ですが、事情がある場合は申請より先に工事ができる場合もあります。ただ、本当に特別な事情がなければ改修後の申請は受け付けてもらえないので注意しましょう。

工事前に役所に提出する書類は、住宅改修費支給申請書、住宅改修が必要な理由書、工事費見積書、住宅改修後の完成予定の状態が分かる資料です。住宅改修費の支給申請書は役所でもらうことができます。住宅改修が必要な理由書はケアマネージャーや地域包括支援センター担当者が作成したものを使用します。また工事費の見積書や改修工事の完成予定の状態が分かる資料はリフォーム施工業者が作成したものを提出しましょう。完成予定の状態が分かる資料は、工事の図面や日付入り写真などが必要です。

リフォーム完成後、住宅改修費を受け取る

リフォーム工事が終わった後は、役所に書類を提出することで住宅改修費を受け取ることができます。工事後に提出する書類は、住宅改修にかかった費用の領収書、工事費用の内訳が分かる書類、住宅改修の完成後の状態を確認できる資料です。領収書はリフォーム施工業者から受け取ったものを使用し、工事費用の内訳が分かる書類は見積書が利用できるので保管しておきましょう。完成後の状態が確認できる資料は、工事図面や工事を行った箇所を撮影した撮影日が分かる写真などを提出します。

工事費用の支払い方法によって住宅改修費を受け取るタイミングが異なります。介護保険を利用する場合、工事費用の支払いには償還払いと受領委任払いの2種類があります。償還払いは工事費を全額リフォーム施工業者に支払い、あとから介護保険で支給を受ける方法のため、一時的に全額自己負担で支払うことになるのです。受領委任払いは上限を20万円として1割から3割までの費用を事業者に支払うものです。この支払方法は、受領委任払い取扱事業者に住宅改修を依頼することで利用することができます。

家のバリアフリー化で介護保険を使う際の注意点

バリアフリー化のために住宅改修をする場合は、上限20万円までの工事に補助金が出ることになっています。補助金は原則として1度しか使えないのですが、限度額の範囲内では分割利用が可能です。

要支援度や要介護度が3段階上がると再度20万円を限度として介護保険を利用することができます。また、引っ越しした時に新しい住宅でバリアフリー化が必要であると認められた場合、再度介護保険を利用することも可能です。

まとめ

家庭内での事故の9割以上は転倒や転落が原因となっており、高齢者の転倒事故の約8割は住宅内で発生しています。そのため、早めに自宅内の危険な場所を把握して、バリアフリー化に向けて改修することが重要です。

バリアフリー化が整った家でないと介護疲れやストレスを感じて、介護者と被介護者が共倒れになることもあるのでバリアフリー化のための改修は重要です。高齢者は転倒だけでも大きな怪我になることがあるため、要介護認定を受けたら早い段階で改修することをおすすめします。

介護保険を利用してバリアフリー化のための住宅改修をする場合には、役所に先に申請をしてから施工に着手し、工事後にも役所に申請をすることが重要です。住宅改修費の受け取りのタイミングは、利用する施工業者によって異なります。受領委任払い取扱事業者に工事を依頼すると20万円を上限として1割から3割までの費用を支払うため、費用の支払いは最小限で済みます。ケアマネジャーなどと相談した上で、工事内容や施工業者を選びましょう。

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